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ZOOM UP【妊活サポート】葉酸に続く、サポート素材が続々

「妊娠しやすい体づくり」を目的に取り組む“妊活”という言葉が社会に浸透している。近年は、女性だけでなく、男性の意識も変わり、夫婦の半数が妊活に取り組んでいるという民間調査の結果も。こうした中、基礎体温のチェックや、バランスの摂れた食事、適度な運動、良質な睡眠などの実践のほか、サプリメントの利用も広がっている。出生児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために国が推奨する葉酸は認知度が高く、継続摂取する習慣が定着。各社から葉酸サプリメントが投入されている。大豆イソフラボン、マカ、オリーブ抽出物など、有効性・安全性に関するエビデンスデータの蓄積が進む機能性素材も台頭。妊活サポート素材として注目度が上昇している。

■「妊活」実践夫婦、半数に

不妊に悩む夫婦が増えている背景には、晩婚化に伴う高齢出産の増加などがある。1 回の周期で自然に妊娠する確率は約20%と言われているが、年齢とともに妊娠できる確率は下がり、流産などのリスクも高まる。こうした中、妊活に対する関心が年々高くなっている。妊活とは、将来自然に妊娠しやすくなるための体作りや生活習慣を整える活動を指す。パートナーの男性も対象に含む考え方で、妊活がテーマのT Vドラマが放送されるなど妊活は身近な言葉として浸透している。

ロート製薬が実施した『妊活白書2019』によると、夫婦が妊活を開始する年齢の平均は「32.1歳」で、夫婦ともに妊活を行っている割合は半数近くの49%だった。日々の生活で心がけていることは「食生活に気をつける」「カラダを冷やさないようにする」「規則正しい生活をする」などが上位を占めた。また、1 人で行う取り組みでは「基礎体温を記録する」「サプリメントで必要な栄養素を摂取する」などの回答が目立った。

■葉酸サプリ、各社が投入

妊活サポートサプリメントは主に、①新生児が健康に育つために母親が摂取するもの、②妊娠しやすい環境を整えるために男女が利用するものに二分され、葉酸、ビタミン、亜鉛、鉄、大豆イソフラボン、マカ、松樹皮抽出物、プラセンタ、CoQ10、アスタキサンチン、DHA、L-シトルリン、コリン―― などの機能性素材が用いられている。ルイボスティーなどのノンカフェイン飲料も安心して飲用できることから女性からの支持が高い。

主成分で多く利用されているのが葉酸。厚生労働省では、二分脊椎症や無脳症など胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、妊娠の可能性がある女性や、妊娠初期の妊婦に対して葉酸摂取を推奨。食事からの推奨摂取量(240μg)に加え、サプリメントなどで摂取する付加量(400μg)を示している。葉酸サプリメントの製品開発は活発で、ここ1 年では、『Mama Lula(ママルラ)葉酸&鉄プラス』(ファンケル)、『megumirai(めぐみらい)』(ピジョン)、『ベルタ葉酸マカプラス』(ビーボ)などが登場。葉酸は認知度も高く、マツモトキヨシホールディングスは、「matsukiyo LAB(マツキヨラボ)」シリーズに葉酸サプリメントを拡充している。ドラッグストアではスムージー商品などもみられる。

■販売、市場の広がりに手応え

妊活サポート素材を取り扱う原料メーカーでは、エビデンスデータを下に積極的な提案を行っている。ニチモウバイオティックスは、着床サポート素材として、アグリコン型イソフラボン『AglyMax®(アグリマックス)』を供給。ここ1 年は、「更年期サポートと同等に、妊活サポートに関する問合せが多い」という。TOWACORPORATIONは、マカエキスパウダー『MACAXS®』を提案。エビデンスデータが評価され、採用実績が増えている。三菱ケミカルフーズは、“子宝ビタミン”とも言われるビタミンEを供給するほか、自社原料のオリーブ葉抽出物『オピエース®』に男性機能改善効果があることをラット試験で確認した。

引き続き、機能性研究を進め、『オピエース®』の市場開拓につなげる。販売メーカーからは「不妊クリニックでの販売量が増えた」「ドラッグストアでは妊活コーナーを設ける店舗も出てきた」「妊活に対する男性の意識が変わり、男性向けサプリメントの動きも良い」など、市場の広がりに手応えを感じる声が多数聞かれた。一方、「誇張な広告表現をした製品が少なくない」「不妊対策や妊活に関する情報が少なく、個人のブログなどを参考にする人が多い」という声からも、正確な情報を適切に消費者に伝える取り組みが課題の1 つといえそうだ。

 

本記事の続きは「健康産業新聞1688号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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