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特集【セラミド】“肌の保湿”テーマ、機能性表示食品でセラミドトップに

肌の保湿、肌バリアをテーマにしたグルコシルセラミドの機能性表示食品は79品に到達(325日時点)。同テーマの受理品では、ヒアルロン酸を抜いてトップとなった。従来の美容素材におけるバイプレイヤー的位置付だったセラミドは、機能性表示食品を契機に一気に主役に躍り出た恰好だ。本紙が実施する受託企業へのアンケート調査でも2年連続でセラミドがトップ10入りするなど、確実に“美容のトレンド素材”として脚光を浴びている。またその一方で、新たな機能性研究も進められており、最新の研究では認知機能改善対する有効性も発表されるなど、セラミドが持つ幅広い機能性がクローズアップされつつある。

■肌バリア機能 認知広がり機能性表示も急増

「肌の保湿力を高める」、「肌の潤いを守るのを助ける」、「肌のバリア機能を高める」など、保湿をテーマにしたグルコシルセラミド配合の機能性表示食品が79品に( 3 月25日現在)。昨年同時期の50品から29品の増加と勢いをつけている。肌への訴求をテーマにした受理品全体の36%を占め、これまでトップを走っていたヒアルロン酸(73品)を上回る格好に。
また注目されるのが、ダイセルが新たに受理した機能性表示食品『ピュアセラミドLight(ライト)』(届出番号E689)。同品はグルコシルセラミドの摂取目安量を0.6mgに設定しており、これまでの受理品のなかでは最小量となる。以前よりも低用量で届出で可能になることから、サプリメントはもちろん飲料や一般食品への配合提案が進むとみられる。元々セラミドは体感性の強い素材として評価されていたものの、化粧品素材としてのイメージが強く、食品としての流通は比較的少なかった。しかし機能性表示食品の登場や特定保健用食品の認可によって認知度が徐々に広まり、食品用美容素材としての地位を確立しつつある。これを裏付けるように、本紙が毎年12月に実施する健康食品の受託製造企業を対象にしたアンケート調査では、「2019年下半期の人気受注素材」の6 位にランク。一昨年の同調査で第10位に初のランクイン以降、順位を上げている。
現在セラミド市場は原料サプライヤーからの聞き取りによる推計で、市場規模70億円と見込まれているが、近年のセラミへの関心の高まりにより、さらなる市場拡大に期待が寄せられている。

■セラミドは「お風呂の蓋」 認知機能改善など新たな機能性研究にも期

グルコシルセラミドは、スフィンゴ塩基と長鎖脂肪酸がアミド結合した化合物にグルコースが結合した複合脂質の総称。米や小麦、トウモロコシ、コンニャク芋、ビート(甜菜)、パイナップル、タモギ茸、桃、温州みかんなどの植物性食品に含まれている成分。セラミドについて体内では、角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4 層に分かれるヒトの皮膚構造のうち、表層である角質層を構成する細胞間脂質の主成分がセラミドとなっている。細胞間脂質は、角質の細胞と細胞の間にある特殊な脂質で、細胞同士を接着するだけでなく、その間に水を挟み込む性質を持っており、水分保持量の割合は80%と角層の水分保持機能を維持する重要な役割を担っている。この点からもセラミドが肌に果たす役割が大きいことがわかる。銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子氏はセラミドについて「例えるなら“お風呂の蓋”のような位置付け。蓋をしない(=表皮のセラミドが不足する)と皮膚の水分が蒸発してトラブル肌の原因となる」と指摘する。美容素材の代表格であるコラーゲンや、ヒアルロン酸は真皮層に存在し、ハリや潤いを内から支える重要な成分だが、外的物質からの防御を果たすバリア機能や保湿という側面から捉えると、表皮のセラミドは全ての美容ケアの基盤とも言い換えることができる。

 

本記事の続きは「健康産業新聞1689号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら

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