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特集【プラセンタ】初の機能性表示食品が登場

美容素材の代表格として長年、健康食品、業界で安定した市場を構築するプラセンタ。今年1月、初の機能性表示食品が受理され大きな話題となった。原料メーカーでは、従来から肌保湿、疲労回復、肝機能改善、更年期症状の緩和など多彩なエビデンスが蓄積されており、多分野での活用にも期待が膨らんでいる。現在、市場にはブタ、ウマの胎盤、サケ卵巣膜、植物胎座を由来とした原料が流通しており、品質、トレースに優れたSPF豚、競走馬用サラブレットの利用も広がっている。また大手メーカーでは、動物愛護、環境保護などが原料選択の基準となりつつあり、海洋性プラセンタの採用も進んでいる。

■関与成分となるアミノ酸の特定に成功

プラセンタは美容素材としての高い認知度に加えて、豊富なエビデンスに裏付けられた体感性の良さから長年、美容サプリ、コスメ用途で安定した需要を獲得している。近年は、コラーゲンやエラスチンと合わせて配合されることが多く、プラセンタをメインとした商品は減少傾向にあったが、今年1 月、銀座ステファニー化粧品よりプラセンタ初の機能性表示食品が登場。関与成分とするアミノ酸の特定が難しく、長年、受理が進まなかったプラセンタだけに業界の注目を集めた。今回、届出受理された『プラセンタ100フォルテ』は、「豚プラセンタ由来ペプチド」を関与成分とし、肌保湿を訴求する。同社は3 月末時点で「販売チャネルや販売戦略を調整中」としており上市には至っていない。とはいえ既に競合メーカーからは、「同カテゴリーでの展開を視野に臨床試験を進める」「1 日の含有量が600μgで受理されたのは驚き」との声も。同品は最終製品の臨床試験で機能性を評価しているため、すぐに他メーカーから新たな受理が進む可能性は低い。一方でプラセンタは、肌の保湿に加えて、更年期症状の緩和、疲労回復、肝機能改善など多彩なエビデンスを蓄積される素材。他分野の機能性表示食品への期待も。成熟期にあったプラセンタ市場の起爆剤になるか注目が集まる。

■動物愛護、環境保護への意識が拡大

現在、市場にはブタ、ウマなど動物の胎盤を原料とするプラセンタエキス、サケの卵巣膜や植物胎座を由来とするプラセンタ様成分が流通。大きく品質に優れた国産品、コスパの良い海外品に二分される。一回の出産頭数が多く、生産量を確保しやすいブタ由来プラセンタエキスがオーソドックスだが、近年はイメージの良さから馬プラセンタエキスの利用も拡大。また高価だが品質管理、トレーサビリティの徹底されたSPF品質のブタ、競走馬用サラブレッドの満期胎盤の活用も進む。プラセンタの主要な原料サプライヤーは、スノーデン、岩瀬コスファ、ホルス、協和薬品、三共バイオケミカルズ、日本バリアフリー、一丸ファルコス、東洋酵素化学、日本ハムなど。各社からは、「コスメ用途での利用が拡大している。サプリは微減」「美容ゼリー向けが好調」「満期胎盤、トレースの重要性が増している」などの声があり、総じてサプリ堅調、コスメ好調の構図は変わらない。最近は全世界でSDGs(持続可能な開発目標)が求められている事もあり、動物愛護、環境保護に配慮した原料が好まれる傾向も。国内大手メーカーを中心にサスティナブルな原料を選択するケースが増加。と殺後の胎盤ではなく、満期出産時に後産として得られる胎盤から抽出したプラセンタエキスが好まれる傾向が強まりつつある。同様の観点からサケの卵巣膜由来のプラセンタ様成分の需要も拡大。プラセンタ食品の品質規格基準(JHFA規格基準)には適合しないが、動物由来原料を好まないブランドを中心に国内外で採用が進む。

本記事の続きは「健康産業新聞1690号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら

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