世界中でDHA・EPA市場が伸長している。米国EPA・DHAオメガ3業界団体GOED(Global Organization for EPA and DHA)では、2018年のDHA・EPA世界市場規模を13億7700万ドル(前年比2.1%増)と推定。国内ではDHA・EPAを関与成分とする機能性表示食品が1年間で新たに34品受理され、累計181品に。関与成分ランキング3位の人気素材として、サプリメントを中心に、飲料、調味料など加工食品の開発も進んでいる。整腸やインナービューティーなど、様々な領域で機能性研究が進んでおり、更なる市場拡大が期待される。
■DHA・EPAの世界市場拡大 国内では機能性表示新たに34品
心血管疾患リスクの低減や、糖尿病リスクの低減、脳機能サポートなど、DHA・EPAの有する機能性の高さが評価され、国内外でDHA・EPAの市場規模が広がっている。米国EPA・DHAオメガ3 業界団体GOED(Global Organization for EPA and DHA)は、2018年の世界市場規模を13億7,700万ドル(前年比2.1%増)と推定。地域別では中国市場が年率で2 ケタに迫る成長を見せており、GOEDでは、他のアジア市場でも経済成長と中産階級の急速な出現により市場規模が拡大していると分析している。国内ではDHA・EPAを関与成分とする機能性表示食品が1 年間に34品受理され、累計は181品(取り下げを除く)に。( 4 月27日現在)。関与成分別ではGABA、難消化性デキストリンに次ぐ第3位の人気素材だ。食品の区分では、サプリメント形状が96品(53%)、その他加工食品が82品(45%)、生鮮食品が3 品( 2 %)となっており、剤型を選ばず機能性表示食品の提案が進んでいる。2019年度はクリルオイルを関与成分とする機能性表示食品が「靴下をはいたり脱いだりする時の膝の違和感を軽減する」、「中性脂肪値の低下」などの表示で5品受理、受理品数を倍増させた。
■50代以上の利用率1位 末端製品の売上好調
DHA・EPAは中高年層からの支持も高い。矢野経済研究所は3 月に、30歳以上の健康食品ユーザー1,000人を対象としたアンケート調査結果を発表。摂取している健康食品について聞いたところ、DHA・EPAは40代では男性4 位、女性5 位、50代以上では男女で1 位との結果が明らかになった。消費者からの支持に後押しされ、機能性表示食品をはじめとする末端製品の売上も好調だ。ドラッグストアを中心に展開している「ディアナチュラゴールド」シリーズ『DHA&EPA』(アサヒグループ食品)では、前年比2 ケタ増の売上増を達成。百貨店・通販ルートで展開している『オーシャンブライト・スーパーDHA』(日産化学)や、自社通販サイトで展開している『DHA・EPAプラスクリルオイル』(極洋)なども売り上げを伸ばしている。ネットモール大手Amazonの「DHA」カテゴリでは、3 位に『ママのDHA』(森永)、4 位に『赤ちゃんに届くDHA』(ビーンスターク)がランクインするなど、妊娠期~授乳期の女性からの人気も高い。
本記事の続きは「健康産業新聞1691号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら
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