“健康力”に対するニーズ高まる――。新型コロナウイルスに対するワクチンや効果的な治療薬がない状況の下、多くの国民は、マスク・手洗い・うがいはもちろん、食事や生活習慣の見直しなど、自身の“健康力”を高めることで、ウイルスの罹患を予防する取り組みを進めている。過度なストレスや“コロナ鬱”の問題も深刻だ。こうした中、新型コロナ対策の有効的な手段の1つとして身体を温める行為(温活)にも注目が高まっている。季節を問わず日常生活で積極的に体を温める“温活”は近年、健康的なライフスタイルの1つとして定着。温活サポート商材は2,000億円超の一大市場を形成、さらなる拡大にも期待される。
■ウイルス予防や過度なストレス対策には、温活が有効!
新型コロナに伴う緊急事態宣言の延長を受け、国民のストレスはもはや爆発寸前だ。“コロナ鬱”といった用語も聞かれるなど、過度なストレスが深刻な問題となっている。過度なストレス状態とは、自律神経が交感神経優位に作用している状況のこと。交感神経優位の状態は、血管収縮や血圧上昇、低体温、不眠、胃腸障害―― など、様々な健康被害の原因となる。またイライラするなど精神衛生上も良くない。ストレス解消やコロナ鬱の予防には、副交感神経を活性化して自律神経のバランスを整えることが求められる。その手法としては、規則正しい食事や適度な運動、十分な睡眠が基本だが、加えて“身体を温める”ことも効果的だ。
身体を温めることのメリットは、「偏った自律神経を中庸に持っていく=自律神経バランスの調節する」ことと言われ、具体的には、血行促進に伴う冷え症状の改善をはじめ、
深部体温上昇に伴う免疫力や自然治癒力、基礎代謝の向上、快眠、発汗による体内に溜まった老廃物のデトックス作用、さらには肥満やセルライト、むくみ、シミ・シワ、髪のパサツキの改善――など、数え上げればきりがない。
また「ヒートショックプロテイン(HSP)」の役割も大きいとされる。HSPとは、熱ショックタンパク質とも呼ばれ、入浴など全身加温によって体内に増加するタンパク質のこと。冬場の風呂場で高齢者が倒れるヒートショックは全くの別物だ。HSPは、傷付いた細胞の修復、ストレスから細胞を守る、白血球(リンパ球)の増加やNK細胞の活性化―― など、様々な生理作用が確認されている。
HSPには乳酸の産生抑制作用もあることから、以前からトップアスリートの間では、運動前後のコンディショニング目的で、全身加温が導入されてきた。最近では、家庭で手軽に体内のHSPを増やせる入浴方法などがメディアでも紹介され、HSPの一般認知度も徐々に高まっている。ほかにも最近の研究では、温熱による脳機能の改善や抗うつ効果、運動器の機能向上などのデータが報告されており、介護予防、健康寿命の延伸という観点からも身体を温めることの有用性に注目が集まっている。
本記事の続きは「健康産業新聞1692号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら
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