「世界の工場」と称されるほど製造業の盛んな中国は、漢方系からメジャーな素材まで幅広い健康食品原料を世界各国に供給している。ビジネスもスピーディーで、市場競争力ある価格帯で提供する術にも長けている。安定供給、安全性対策、トレンドにマッチした原料開発などに長け、商社機能と管理機能を併せ持ち、成長を遂げている原料サプライヤーのChinese strategyを紹介する。
■ 日本の9倍、中国の食品製造業
中国は、ロシア、カナダに次ぐ世界第3 位の広大な国面積と、13億9,000万人の圧倒的な国人口を背景に、製造業が盛んなことから「世界の工場」と称される。食品は約200か国に輸出されており、日本はその貿易額のトップ10に入る。
健康食品原料は、漢方で用いられるウコンや冬虫夏草、田七人参、蜂の子などのほか、ビタミンCやグルコサミン、コラーゲン、CoQ10、HMB、シトルリン、アルギニンなどのメジャー素材を世界各国に供給している。
中国の食品製造業は、日本の食品製造企業5 万2,450社(経産省「商工実態基本調査」)に対し、中国の食品生産加工企業は約45万社(中華人民共和国在日本大使館「白書:中国の食品の品質と安全性」)。うち、年間売上高500万元以上の企業2 万6,000社のシェアが72%、上位100社で全体の約3 割を占める。
近年の経済成長に伴い、中国国内の食品生産が種類・数量ともに拡大傾向にある中、中国政府では、地域間の相違や、都市・農村の相違による10人未満の小企業・小工場約35万3,000社が食品品質・安全監視管理上の長期に亘る困難な課題と位置付け、食品の品質・安全監視管理を年々強化している。世界各国から集まる食品加工技術の開発や応用も急速に進み、全体的な品質水準は着実に高まっている。
■ 日中の架け橋として活躍するサプライヤー
健康食品に関しては、日中間における「価格」と「品質」の安定、安全性管理(残留農薬・菌数などの品質検査)、取扱い原料の製造工場検査などを徹底する原料サプライヤーが日中の掛け橋として活躍している。
中国産原料を数多く取り扱うサプライヤーの中には、植物由来の天然有効成分の抽出技術と、中国をはじめ東南アジアや欧州などから原料を調達する能力を基に、植物(Phyto)と薬業(Pharma)を結び付け、その才能を引き出す素材開発力が最大の強みとする企業も。一連のコロナ騒動を受け、感染予防ニーズが世界的な規模で拡大している中、“免疫アップ”や“抗ウイルス”“サイトカインストーム”といったキーワードに着目した新素材開発を推進。また、現状は沈静化しているインバウンドの反動や、巨大マーケットである越境EC市場の伸長も睨みながら、“抗酸化”など潜在ニーズの高いカテゴリーに着目し、CBD(カンナビジオール)など新素材の開発、プレミックス原料の開発などを進めている。
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