新型コロナ感染拡大の影響下、一足先に終息に向かう中国向けの越境ECの動きが好調だ。今月よりスタートした中国『天猫国際』のショッピングフェスティバルには昨年比2倍となる企業の参加で盛り上がりをみせている。国内ではECビジネスへの参入を対象にした補助金制度もスタート。将来的な越境ECを見据え、メーカーから消費者に商品を直送する「D2C」の流れも強くなっている。

　中国オンラインマーケット運営大手のアリババグループが今月から開始した『天猫618ショッピングフェスティバル』が昨年を上回る勢いで盛り上がっている。世界中から関心が寄せられる中国「独身の日」セールに次ぐ大型キャンペーンとして毎年6 月に開催されているが、今年は世界92ヵ国2 万5,000ブランドが出店。コロナ騒動がひと段落し、消費に活気が戻り始めた中国市場への参入が加速している。参加ブランド数も前年比2 倍に規模を拡大、現地の消費意欲も盛んで販売開始3 分で1,000万人以上がアクセスし1 億元以上の商品購入を記録するなど世界的に話題となっている。

　日本からの出店をみると、美容機器が販売開始1 時間で前年比400％増を記録するなど、ヘルス＆ビューティーカテゴリーが良い伸びをみせている。美容商材を扱うArtistic＆Co.では、初日の販売額が1,000万元を突破。食品では、『カロリーメイト』（大塚製薬）や『大麦若葉粉末』（山本漢方製薬）も人気ランキング上位を賑わせている。

　日本ブランド全体の初日売上は前年比42％増となるなど、“メイドインジャパン”の人気は健在だ。日本商品好調の背景には、コロナ禍におけるさまざまなアリババの施策がある。同グループは今年2 月、海外ブランドがコロナの影響を乗り越えられるよう、プラットフォーム使用料の軽減や物流コスト削減などを実施。3 月には、日本企業向けにクラウドリソースを無償提供してテレワーク対応を支援するなど越境ECの利用を促進した。

　また、新規申請プロセスの簡素化、出店承認の効率化なども打ち出し、「今後1 年間で1,000ブランドの中国進出を支援する」と発表している。同グループの決算発表では、新型コロナによる経済活動の停滞が予想された今年1 月から3 月の第4 四半期においても前年同期比22％増に。コロナ禍でオンライン購入の習慣化が大きく加速したと分析している。

　一方国内では、先月閣議決定された令和2 年度第二次補正予算で、新型コロナ対策の補助金制度もスタートし・・・

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