女性の肌や髪の美しさを保ちたいという美容ニーズは普遍的だ。身体の内側から美をサポートする「インナービューティ関連商材」の売れ行きは堅調で、その市場規模は末端ベースで約2,300億円まで拡大。肌に関連した機能性表示食品は237品に達し、全体の約8%を占める。プラセンタ、コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸、植物発酵エキス、エラスチン、GABAなどの研究が進展し、肌の保湿、弾力の向上、シワ・たるみ対策、紫外線対策、ヘアケア、抗糖化など多彩なエビデンスが構築される。なかでも紫外線対策は、ここ数年、需要が高まる分野でサプリメントのほか、ドリンク、ヨーグルトなどの上市が広がっている。
■ 肌訴求の機能性表示食品237品
美肌を中心とする美容訴求商材は、ダイエット素材と並んで健食市場の一大カテゴリーとなっている。
肌の保湿、弾力の向上、シワ・たるみ対策、紫外線対策、ヘアケア、抗糖化など様々な訴求したサプリメントが流通。本紙が毎年、6 月、12月に実施する健康食品受託加工・製造企業へのアンケート調査では、「美容・美肌」がトップを堅持しており、普遍的なニーズの高さが見て取れる。
プラセンタ、コラーゲン、ヒアルロン酸など定番素材のほか、セラミド、酵素、エラスチン、プロテオグリカン、乳酸菌などの利用が広がっており、インナービューティ関連商材の市場規模は、末端ベースで約2,300億円(前年比4.5%増)まで拡大している。
特に伸長している素材は、コラーゲンペプチド。日本ゼラチン・コラーゲン工業組合の調査によると、2019年度のコラーゲンペプチド販売量は5,924t(前年度比1.5%増)まで伸長。5 年連続で過去最高を更新する好調ぶりを見せており、国内市場のほか、中国をはじめとしたアジア圏、さらには北米でも需要が拡大している。
酵素・酵母食品は、内外美容の定番素材として定着。2019年市場規模は505億円(前年比3 %減)と縮小傾向にあるものの、乳酸菌、酵素メーカーでは腸内細菌叢と肌の研究が進展。中高年のみならず、若い女性も美容目的に酵素食品を採るケースが増加している。
肌関連の機能性表示食品は、237品(6月8日現在)。「肌の保湿力を高める」「肌の潤いを守る」「肌のバリア機能を高める」などの表示が認められており、昨年6 月と比べて60品以上増加した。プラセンタ、GABAなど新素材の活用、紫外線対策など新たなヘルスクレームの登場も追い風となり、今後も製品数の増加が予想される。
■ 紫外線対策ヨーグルトが登場
「食べる・飲む紫外線対策」は、ここ数年、内外美容市場でトレンドとなっているカテゴリーだ。
富士経済の調査によると、紫外線対策サプリの2019年の市場規模は、末端ベースで4 8 億円( 前年比117.1%)。2015~2018年にかけては、毎年、前年比1.7倍以上で推移している。
『ピュアホワイト』(資生堂)、『ヘリオホワイト』(ロート製薬)、『ホワイトショット』(ポーラ)などは大手ブランドの定番商品として定着。チャネル別では、通販、DgSルートが好調で、サプリメント、ドリンク、シート、粉末スティック、ゼリー、ヨーグルトなど様々な剤形のアイテムが上市される。時短や手軽さをキャッチし、ユーザーが継続しやすい商品が数多く見受けられる。
「肌の紫外線対策」を訴求する機能性表示食品は5 品。昨年5 月、富士フィルムの『アスタリフトホワイトドリンクホワイトシールド』が受理されて以降、アスタキサンチン、乳酸菌、コラーゲンペプチド等を関与成分とした届出が活発化。明治は、今年4 月、『明治スキンケアヨーグルト 素肌のミカタ』を上市。「ヨーグルトで手軽に紫外線対策」をキャッチに、若年層、男性など新規顧客の獲得を目指す。
WEB上では、紙面記事の一部を公開。定期購読のお申し込みはこちらから(当サイトからの紙面PDFの閲覧も可能になりました!)
■「受託製造企業ガイドブック2017年版」 好評販売中■
2012年版を全面改定し、「機能性表示食品への対応」を追加。各社の概要、特色、業況、連絡先がこの一冊に。健康食品・化粧品の製造、各種試験・分析依頼、原料調達などに、ぜひ本書をご活用ください。⇒詳しくはこちら!