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特集【2020年上期総括健食受託加工・製造】経営状況「良好」は3割。

本紙編集部は、健康食品の受託加工・製造企業188社(有効回答86社)を対象とした調査を実施した。今年上期の経営営状態が「良好」と回答したのは31%で前年調査と比べ12ポイント減少。「悪かった」は13ポイント増え、健康食品業界においても、新型コロナウイルスの影響が反映された結果となった。ここ数年、好調だった海外向けのOEM供給もブレーキが掛かった。国内市場では、取引先の販売チャネルによって受注量の差が激しく売上高の増減に影響した。一方、免疫サポート、巣ごもり太り対策など新たな需要が生まれた中、ニーズにあった商品開発・企画をいち早く提案し、業績を伸ばした事業者もある。製造現場では、新型コロナウイルスの感染が再び拡大する第2波、3波に備え、ウイルス対策の強化を徹底するとともに、安定供給体制の確立を進める。人気受注素材では、「乳酸菌」が昨年に続き、上期受注実績、下期受注予想ともに1位を獲得。健康食品市場をけん引している。

■ 販売チャネルで明暗も、新生活様式が新たな需要創出

 アンケートでは企業の売上高や増減率、経営状況、市場の景況感、設備投資の現状、人気受注素材、輸出製品のOEMやインバウンドの状況、機能性表示食品制度への対応状況、新型コロナウイルスの影響、今後の見通しなどについて聞いた。

 調査対象の企業の売上高は10億円未満が49%、10億円から50億円未満23%、50~100億円未満が16%、100億円以上12%だった。売上高は48%が前年を上回ったが、前回調査より15ポイント減った。売上高が下回った企業も2 倍の40%で厳しい結果となった。

 今年上期の経営状況に関する質問では、「どちらともいえない」と回答したのは47%で前年調査の48%とほぼ同じだったが、「良好」は12ポイント減した。「悪かった」は13ポイント増え、多くの事業者が新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けた。

 事業者からは「現時点では把握しきれない」「販売延期になり、製品の減産となった」「4 月以降対前年同月と比較してマイナスに転じた」「免税店向け商品の注文が全くない」など様々な回答が寄せられた。3 つの密に関わるスポーツジムやエステのほか、訪問販売、宣伝講習販売などからの受注が激減したといったコメントも目立った。

 また、全体の6 割強が海外輸出を手掛ける一方、「輸出が減っている」は、前年調査の3 %から26%と悪化した。ただ、収束にある中国では、「沿岸部を中心に動き出している」「受注量が増えている」などの声も出ている。

 上期の経営状況が「良かった」という声を集めると、既存顧客の安定した注文確保、新規顧客の獲得のほか、「通販、ドラッグストア向けは順調に推移した」、「スポーツ関連商品が新商品も増えて好調だった」「越境EC向けの免疫、美容商品が伸長した」などのコメントが挙がった。

 また、自己の健康管理に対する意識の高まり、生活様式や働き方のスタイルが変化する中、免疫サポート商品、“巣ごもり太り”対策商品など、コロナによる新たなニーズが生まれ、「通常品の落ち込み以上の売上増となった」「コロナによるスイッチ需要を積極的に取りに行ったことが奏功した」などの声が聞かれた。

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