三富産業(株)(東京都中央区、03-3667-2740)はこのほど、昭和大学と共同でヤマブシタケおよびマイタケを使用したマウス試験で、腫瘍細胞の抑制作用を確認したと発表した。
実験に使用した各キノコは自社栽培した子実体を特許製法で、食用有機酸処理後、70度で熱風乾燥し粉砕調整したヤマ
ブシタケ粉末原料「サンバイオEH」。大型介護施設病院である浴風会病院ではアルツハイマー認知症抑制のデータを持つ
素材。マイタケについては、独自培養で品種改良した粉末原料「SF73号マイタケ粉末」を使用。日本チャールズリバー社製のEL4腫瘍細胞を持つ雌マウスの飼料に添加し、増殖を抑制するか否かを検討した。
結果、まずヤマブシタケおよびマイタケをそれぞれ単独添加で投与した試験では、EL 4腫瘍細胞増殖抑制の傾向がみられた。またフローサイトメトリーによる免疫担当細胞についても検討したところ、マイタケの単独添加では、腫瘍細胞移植による脾臓でのキラーT細胞・NK細胞の減少を抑制が見られた。なお、ヤマブシタケ添加では腫瘍抑制の効果が得られたものの、マイタケ添加とは異なる免疫能の応答を示したという。
このほか、マイタケ80%およびヤマブシタケ20%を混合した投与群ではマイタケ・ヤマブシタケ単独添加よりも強い腫瘍細胞増殖抑制効果を示したといい、さらに脾臓でのNK細胞・キラーT 細胞の減少抑制効果が、マイタケ単独添加と同様に認められ「マイタケとヤマブシタケを混合させることにより、各々の免疫能メカニズムに影響を及ぼし、結果的に腫瘍の増殖抑制効果を高めている可能性が示唆された」とした。同研究成果については日本補完代替医療学会でも発表された。