ビタミンやポリフェノールなどの栄養素が豊富な、スーパーフルーツ素材。天然の抗酸化素材として女性をターゲットにした美容商品での採用が多く定番素材として定着しつつある。今年に入ってからは新型コロナウイルス対策として免疫訴求のニーズも出てきており、カムカム、アセロラ、アサイーなどの動きが好調だ。免疫以外でも、ストレスケア、アイケア、認知機能など幅広い分野でのエビデンスの構築が進んでおり、提案の間口が広がっている。機能性表示食品ではカシスやメロンでの届出も受理されており、スーパフルー市場は拡大が期待される。
■ 天然ビタミンC高含有フルーツに熱視線 ドリンク、スムージーなどで採用増
スーパーフルーツは、一時期のブームで消費者の認知も高く、サプリメントのみならず、パン、製菓、ドリンクなど幅広い用途で採用実績がある素材だ。新型コロナウイルスの影響で免疫機能を高めるビタミンCのニーズが高まるなか、天然のビタミンCを豊富に含むスーパーフルーツの需要が増えている。特に引き合いが強いのが、カムカム、アセロラ、アサイーなど。
サプライヤーからは「アサイーピューレの売上がコロナ前と比べて倍増した」「天然ビタミンCの需要が伸びている」との回答もあった。日本スーパーフード協会代表理事の勝田亜唯美氏は、コロナ禍で普段健康食品を摂取しない人の健康意識が高まっていることを受け、「スーパーフルーツを使った健康食品は、天然由来の栄養素やフルーツ自体の美味しさといったイメージが購入のハードルを下げており、健康食品の入口としての効果もある」と話す。
アプリケーション別ではドリンクやスムージーでの販売が好調だ。中食メーカーからは「(コロナ前と比べ)消費者の食いつきが違う」との声も聞かれる。無添加コールドプレスジュスやスムージーを提供しているジュースバー「Sky High(スカイハイ)」では、アフターコロナ応援キャンペーンとして7月限定でアセロラスムージーを発売。「ビタミンCが免疫を含めた健康に良いということで、天然のビタミンCが豊富なアセロラを使った商品企画をした。スムージーを購入していなかったお客様の来店も多く、リピートの要望もある」という。
■ フルーツ特有のエビデンス構築活発 機能性表示食品初受理となるフルーツ素材も
スーパーフルーツに関する研究では、抗酸化作用に加え幅広い機能性が報告されている。研究内容は、カシスによる疲労回復、脳機能性改善効果、グァバ葉による美肌作用、ジャバラによる抗アレルギー作用、アムラによる脂質低下、血流改善作用、未熟果バナナと乳酸菌の併用による大腸炎改善作用など多岐にわたる。フルーツの特徴やストーリー性に加え、エビデンスによる差別化が図られているようだ。
国産フルーツでは、「ユズ果皮エキスによるアレルギー軽減効果」(大分大学)、「マンゴー葉エキスの抗糖化作用」(近畿大学)など、大学による積極的な機能性研究もみられ、ベンチャー企業を立ち上げ、サプリメントの開発を目指しているケースもある。
スーパーフルーツは機能性表示食品として受理実績も多い。これまで関与成分を含む原材料として受理されたスーパーフルーツは、ビルベ
リー、ローズヒップ、アムラ、ライチ、パッションフルーツ、ウメ、赤ブドウなど。サプリメントをはじめ、製菓、ドリンク、調味料など様々なアプリケーションで届出が受理されている。
新しいスーパーフルーツでの受理も。森下仁丹では昨秋、カシスアントシアニンを機能性関与成分に含む機能性表示食品『ヘルスエイドカシスアイ』の届出が受理された。表示内容は初となる「夕方・夜間(暗い場所)での見る力を助ける機能」で今年7 月より発売を開始している。
DHCでは今年3 月にマキベリーを原材料に含む『マキベリーうるおい瞳』が受理。関与成分は「デルフィニジン- 3,5 -ジグルコミド」で、アイケア訴求の商品だ。4 月にはマルカイコーポレーションがクランベリー由来のキナ酸を関与成分とした『クランベリー100』の届出が受理。機能性表示食品として初となる「女性の排尿サポート」を表示する。6 月には沖縄県農業協同組合がシークァーサーを原材料とする『中性脂肪が気になる方のシークヮーサー』で届出が受理されている。
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