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連載【話題追跡】コロナ禍でさらに増加、 インターネットの健食誇大広告

インターネット通販の健食広告の取り締まりが一段と厳しくなってきそうだ。8 月6 日、ヤフーは健康食品を中心とした広告審査に関するレポートを初めて発表。薬機法関連に抵触する恐れのある健康食品や化粧品などの広告が900万件を超えたという。一方で、消費者庁もインターネットにおける健康食品の虚偽・誇大表示が増加していることを監視レポートとして報告した。コロナ禍により、免疫向上など健康管理への意識が高まるなか、健康食品の誇大ウェブ広告が後を絶たない。

2019年度での非承認広告素材は2億3,000万件――。8日にヤフーが初めて公表した広告審査レポートだ。「広告サービス品質に関する透明性レポート」と題し発表された報告によると、同社の広告基準に抵触する素材が2億件超えになったという。

非承認広告として最も多かったのは肌の露出が多い画像を含む「ユーザーに不快感を与えるような表現」だったが、ジャンル別で最も多かったのが化粧品や健康食品、健康雑貨。2019年度で約978万件の広告素材が非承認となった。

「健康食品を食べるだけで痩せる」「化粧品を塗るだけでシミがとれる」など、医薬品のような効能効果を表現しているものが多く、ヤフーでは薬機法抵触の恐れがある広告は特に審査を強化しているという。このほか、「№1」などの根拠のない最上級表示や虚偽・誇大広告なども対象だ。

今回ヤフーが広告掲載基準を含む審査実績を公開した背景には、「行き過ぎた広告」の増加にあるとみられる。消費者庁が7月31日に発表した今年度4月~6月までのインターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視レポートによると、「コロナウイルス」「インフルエンザ」「生活習慣病」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現や、「免疫力」「腸活」等の身体の組織機能の一般的増強、増進効果を想起させる表現に該当する広告は93事業者107商品に及び、表示の改善を要請した。前年同時期65事業者72商品と比較すると増えていることがわかった。

健康食品の広告表示は「製品の効果を匂わさないと売れない」という側面から、虚偽・誇大表示と共に市場拡大してきたともいえるが、先のステラ漢方薬機法違反のように広告制作会社を含めた一連の逮捕劇など、過去にない事例も出てきている。逮捕に踏み切った大阪府警によると「ネット広告に関しては、企業の所在地関係なく、相談があれば捜査する」とあるように、今後は全国横断的に薬機法に関する取り締まりが進むとみられる。

トクホや機能性表示食品により一部の機能性の表現ができるようになった一方で、いわゆる健康食品に対する広告規制は今後さらに強化される流れにある。販売事業者による広告戦略についてはより一層関連法規を意識・遵守したものが求められる。

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