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特集【海外進出サポート】健食市場の拡大する海外に活路!

日本国内は人口減少が予測される中、米国、中国、ASEAN など、海外へ活路を見出す動きが広がる。さらに新型コロナウイルスの感染拡大に伴い免疫への意識が高まり、世界的に免疫サプリの売り上げが大幅伸長。新しいニーズが生まれている。また、外出制限を機にEC シフトが急激に進行し、特に急拡大する中国越境EC に対しては、マーケティング、流通、通関などを支援する国内企業が増加している。サプリ消費大国、米国、中国への進出サポート事業にスポットを当てる。

■「免疫サプリ」各国で大幅伸長

国立社会保障・人口問題研究所の長期推計によると、日本は2065年に8,800万人まで人口減少するという。国内の健食市場が成熟期を迎え、またインバウンド消費も見込めない中、次の一手として海外進出に活路を見出す企業は増え続けている。

本紙が6 月に実施した健康食品受託企業約80社への調査では63%がすでに海外輸出に取り組み、27%が計画中という結果だった。輸出先国は、健康食品の売上上位国である米国、中国のほか、台湾、香港といった中国語圏、タイ、マレーシアをはじめとするASEAN諸国と回答する企業が多く、今回はベトナムの回答も目立った。ASEAN諸国は特に経済発展が著しく、高齢化とともに健康への意識が高まり続けており、健康食品のニーズが高まっている。

さらに世界的な傾向として、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、免疫への関心が増大。米国、中国、イタリア、フランスといったサプリ消費大国に共通して免疫サプリの市場規模、あるいは利用者が大幅増加したとする調査結果が相次いで報告されており、新たなニーズによる市場が生み出されている。

■ 米国への進出は、規制対応が要

免疫サプリの市場規模が昨年対比51.2%増と見込まれる米国は進出先として魅力的だが、表示や規制への対応に注意を払う必要がある。米国ではブランドだけではなく、成分量に優れ機能性の高いサプリは評価が高いが、米国で機能性を表示するには、DSHEA法(健康・栄養補助食品教育法)に基づき企業の責任で届出を行う方法がある。

また、規制については注意する点が多岐にわたる。米連邦政府の規制のほか、各州の規制にも対応する必要があり、例えば西海岸市場の大部分を担うカリフォルニア州の規制「プロポジション65」への対応は重要だ。消費者を有害化学物質から保護するための規制で、900種類を超える化学物質が登録されているが、もし表示をしていない場合、訴えを起こされた場合に違反となり1日当たり2,500ドルと日数によっては巨額の罰金が課される。

■ 中国越境EC で重要視される「KOL」

日本の健康食品や化粧品は高品質であることから中国国内での評価は高く、消費者の中には「熱烈な日本ファン」も存在。日本への渡航ができない今は、越境ECサイトで日本製品を購入する消費者が多い。こうした中、税の優遇措置が受けられることも後押しとなり越境ECで日本から輸出を行う企業が増えているが、ブランド志向の強い中国では、無名の商品を販売することは難しい。

そのため、日本企業の中国への越境ECをサポートする企業では、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるプロのインフルエンサーを起用した販売プロモーションのサービスが伸長している。中国市場ではKOLが多数活動しマーケティングの重要部分を担っている。商品紹介をして、その広告費を収益とするのが基本で、SNSで日々の投稿をし、ファンと交流しながら、ライブ動画販売を行い、さらにはECで商品販売するという幅広い活動をしている。

中国では口コミへの信頼が厚く、商品販売を成功させるにはKOLマーケティングが欠かせない。KOLマーケティングのサポート企業では、商品特性に合致したKOLとの契約やEC販売店舗との連携などのサポートを行う。ほかにも企業の越境ECを成功させるために、Eコマースサイトへの出品支援、通関、流通管理、決済といった各分野をサポートする企業がある。

制度は複雑で変更も多いため、専門企業がサービスを行うが、近年ではトータルでサポートする企業も増えている。㈱フューチャーでは、広大な撮影スタジオと提携しKOLによる生ライブ配信にも注力。物流や通関まで総合支援する事業を行い、初めて中国へ進出する企業にも好評となっている。

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