活力サポート、排尿トラブルといった男性の悩みに着目した健康食品は、中高年に支持され、リピート率が高く安定市場を形成する。活力系商材は、人気のマカを筆頭に植物系から動物系まで特色ある健食素材を利用したサプリメント、ドリンクなどが流通。ドラッグストアやコンビニでは定番アイテムになっている。新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛時は繁華街や都市部の店舗では来店客が減少し、売上が伸び悩んだ販売メーカーもみられたが、6 月以降は回復基調に。また、“コロナ疲れ”から活力系商材のニーズが増しているほか、最近は“男性の妊活サポート”“活力+ 肉体改造”をコンセプトとした商品も増え、新たな顧客獲得に繋がっている。排尿トラブル商材は、ノコギリヤシを筆頭に、ペポカボチャ、シーベリー、シークヮ―サーなどが流通。超高齢者社会を背景に有望市場として期待が高い。機能性に関するエビデンスのデータ蓄積をもとに、機能性表示食品にチャレンジする動きもみられる。
■活力系、マカ中心にドリンク人気 コロナ禍で新ニーズも
活力系商材に用いられている機能性素材は、認知度が高いマカをはじめ、トンカットアリ、カンカ、高麗人参、ムイラプアマ、ニンニク、オリーブ葉抽出物、紅景天、L-シトルリン、L-アルギニン、亜鉛、卵白ペプチド、岩石抽出物などがある。動物系素材ではスッポン、マムシ、ハブ、豚睾丸、馬心筋、カキ、オットセイなどが流通、根強い人気がある。
活力系商材は、健康食品の1 つのカテゴリーとして定着しており、本紙が全国の健康食品受託製造事業者を対象に実施している定期調査の「受注・件数が伸びている商品カテゴリー」でもトップ10に入る常連に。液体・ゼリーの受託加工を手掛けるVIVIDは、「飲みきりタイプをはじめ、活力系のリピート注文は安定している」と話す。
総合ディスカウントストアやドラッグストアでは、ドリンク、サプリメント、ゼリーを陳列した専用コーナーを設ける店舗も少なくない。店販ルートでは即効性が期待できるドリンクが人気。500円を割る低価格品から3,000円前後まで製品価格の幅は広い。販社からは「ブームに影響されず、販売量が安定している」「ワンランク上のエナジードリンクとして、購入年齢層が広がっている」などの声が聞かれた。
このほか、最近の傾向として「活力+肉体美」をコンセプトにした商品や、男性の妊活サポート商品も増えている。バイエル薬品は、妊活に取り組む男性のコンディショニングを整えるサプリメント『メネビット®』の販売を開始した。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大により、特にコンビニは来店客が減少。4月、5 月の売上が前年を大きく割る販売メーカーが目立った。ただ、緊急事態宣言解除以降は回復基調にある。ポッカサッポロフード&ビバレッジは、『マカの元気ドリンク』をコンビニなどで展開。6 月はドリンクの売上が前年同月比を超えた。同社では「既存顧客の戻りの早さに加え、コロナ疲れなどを理由に飲用する人が増えたのでは」と話す。
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