経済産業省によると中国の消費者が日本から越境ECで購入している額は、2014年の6,064億円から、2019年には1 兆6,558 億円と5 年間で2.5倍に拡大。安心感のあるメイドインジャパン商品はベビー用品、健康食品・医薬品の売上が伸びている。EC各社が毎年6月に競って行う「618商戦」で“完全回復”を証明した中国の越境EC 市場に日本からの期待が高まる。
新型コロナパンデミック後の中国市場ではいち早く“新しい日常”が始まった。感染期間中の1〜3月期から昨年対比でECが19%増、実店舗は13%減となり、国内・越境合わせてECシフトが急激に加速した(インテージ・Kantar Worldpanel)。そのようななか、日本製品の越境E Cによる購入は活況で、安全・安心のイメージからベビー用品や健康食品、医薬品がとくに好まれる。
トレンドExpressが行った中国SNSへのクチコミ数をもとにした分析によると、2019年の中国消費者の日本商品購入ランキングは、トップが『ピジョン 薬用ローションももの葉』(ベビー用品・ピジョン)、2位は『口内炎パッチ大正A』(医薬品・大正製薬)、3 位は『龍角散のどスッキリ飴』(健康食品・龍角散)となった。
中国で越境EC利用者の中心となっているのは、海外のブランドや流行に敏感な20 〜30代の「高スペック女子」だという。彼女らに受け入れられるためには「パッケージデザインのブラッシュアップを含めブランディングが欠かせない」(越境EC支援企業)という声も聞かれた。
中国のEC市場規模は70兆円以上といわれるが、現在のEC市場の鍵を握るのがKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーだ。ECで海賊版商品が多数流通した経験をもつ中国では企業の宣伝よりも、KOLの紹介に信頼が厚い。
KOLマーケティングの市場規模は、中国ビジネス産業研究所の調査では2020年までに3,400億元(5 兆2,000億円)に達すると予測されている。日本ではフォロワー数100万人で一流と呼ばれるなか、フォロワー数1,000万人を超えるKOLが多数活動する。
とくに近年の中国KOLマーケティングで注目を集めているのが「ライブコマース」だ。ライブ配信を行いながら…
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