美容・関節対策・脳機能に照準、新たな市場開拓へ（特集／ウコン）

特集

美容・関節対策・脳機能に照準、新たな市場開拓へ（特集／ウコン）

2020/11/26
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美容・ジョイントサポート・脳機能対策に照準̶̶ ウコンが新たな市場開拓に向けて動き出した。とりわけ市場形成スピードが早そうなのは抗炎症素材としてのウコン。海外での実績に加えて、国内外で抗炎症作用に関するウコンの研究発表が相次いでおり、エビデンスの充実化と抜群の素材認知度が、新たな市場形成を後押ししそうだ。一方で、機能性表示食品への期待も大きい。昨年、「記憶力の維持」で受理されたセラバリューズが原料・OEMを本格化。ハウスウェルネスフーズでは、保湿表示で打錠品『ゴールデンヴェール』がエキス（秋ウコンエキス）で受理され、大きな話題を呼んだ。

抗炎症訴求に商機

ウコン市場拡大のキーワードは「新市場開拓」と「機能性表示食品の開発」。「新市場開拓」については、抗炎症作用を介した機能性を活かし、美容・関節痛・アレルギー対応、ダイエット市場へのアプローチに商機がある。

原料サプライヤーでは、ウコン単体での研究のほか、美容ではコラーゲン、関節痛ではグルコサミンなどとの相乗効果研究を推進。大型市場へのマーケットインを狙う。

日本国内では「ウコン＝アルコール・二日酔い対策」の認知が浸透しているが、海外におけるウコンの最もポピュラーな機能性は抗炎症作用。実際、主要成分・クルクミンは、本場インドでは“天然のステロイド”と称され、欧米では、抗炎症作用を活用した美容・ジョイントサポートサプリメントが数多く流通している。

エビデンス蓄積も進んでいる。国内では、国立病院機構京都医療センターが、臨床試験でクルクミンが変形性膝関節症の症状を和らげることを確認、整形外科専門紙のオンライン版に掲載された。

海外では今年9月、タスマニア大学メンジャーズ医学研究所が臨床試験で、ウコン抽出物に変形性膝関節症の痛みを軽減する効果があることを突き止め、「Annals of Internal Medicine」のオンライン版に掲載された。

「記憶力の維持」「肝機能」で機能性表示ハウス、エキス受理品を今月投入へ

機能性表示食品の開発も市場拡大の起爆剤に。受理企業は、脳機能をテーマとした「記憶力の維持」（関与成分・クルクミン）ではセラバリューズ、「肝機能」（関与成分・クルクミン、ビサクロン）ではハウスウェルネスフーズなど。

セラバリューズでは、これまで自社商品の展開に軸足を置いてきたが、ニーズに対応し、原料・OEM供給を本格化していく方針を打ち出す。脳機能を訴求する従来の受理品と異なり、作用機序に一歩踏み込んだ内容（アミロイドベータやタウタンパク質の蓄積抑制）を盛り込んでいるのがアドバンテージになる。

ハウスウェルネスフーズでは、「クルクミン＆ビサクロン」をはじめ、肝機能対策表示で複数の商品が受理されている。注目は今年1月、エキスを関与成分（指標成分：ビサクロン、デヒドロジンゲロン）に受理された『ゴールデンヴェール』。錠剤タイプ初のエキス受理品として話題を呼んだ。表示は「秋ウコンエキスには、肌の水分保持に役立ち、肌の乾燥を緩和する機能があることが報告されています」というもの。同社では今月中に上市する計画だ。