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植物性タンパク製品、国内でもブームの兆し 開発展プレゼンに 440人(連載/話題追跡)

欧米のスポーツニュートリション市場を中心に、大豆、エンドウ豆、ソラ豆など用いた植物性タンパクの利用が増加している。世界全体の植物性タンパクの市場規模は、2025年までに152億ドルまで拡大すると予測されている。一方、日本のプロテイン市場の主役は、ホエイを中心とする動物性タンパク。植物性タンパクは、味覚や価格面がネックとなり利用が進んでいなかった。ただ女性や高齢者などライトユーザーを対象としたプロテイン開発が進んだことで、脂質が少なく食物繊維が豊富な植物性タンパクに期待する声も。11月の食品開発展で行われた植物性タンパク関連のプレゼンテーションには、全プレゼン中最多となる440人が聴講。注目度の高さが垣間見えた。

innova market Insight社は、2019年に約90ヵ国で上市されたスポーツサプリを調査。植物性タンパクを配合した新商品は、2017年と比較して約40%増加、特にエンドウ豆タンパクは、約2倍に拡大した。宗教上の理由で菜食主義者が多いインドやイスラエル等を除くと、北米、ヨーロッパでの製品数が急増している。

KennethResearch社は、世界全体の植物性タンパク市場規模を約107億ドルと推計。同社はアレルゲンフリー製品を求める消費者は今後も増え続けるとし、食品メーカーは持続可能な開発目標(SDGs)に則った製品開発を進めると分析。植物性プロテイン市場は、2025年までに152億ドルまで拡大すると予想する。

一方で、日本のプロテイン市場ではホエイやガゼインなどの乳由来タンパクが主流。ダイエット目的のライトユーザー向けのソイプロテインもあるが、市場での占有率は低く、ソラ豆やエンドウ豆由来品はほとんど見かけない。

大手プロテインメーカー関係者は、「ここ数年、ピー(エンドウ豆)プロテインの売り込みは多いものの味の問題があり、(ホエイに比べて)価格が高すぎる」と話す。

ただ近年の国内プロテイン市場では、スポーツ愛好家やアクティブシニア、女性向けの商品開発が活発化。脂質が少なく、食物繊維が豊富な植物性タンパクが利用されるケースも多い。

また週に数回だけベジタリアン食を摂るフレキシタリアンや、「ゆるベジ」と称される菜食を食生活に取り入れる人が増えている。non-GMOやアレルゲンフリーへの意識や、アフターコロナのインバウンド需要回復を見据えて、植物性タンパクを用いた新商品開発を進める大手メーカーもあるようだ。

実際に食品開発展では、約15社が大豆、エンドウ豆、ソラ豆、ライス、ヘンプ、アーモンド、パンプキンシード等を用いたプロテインを出品。ホエイと遜色ない体内への吸収効率、耐酸性、溶解性の高さを示すデータや、繊維感の強さ、食感、味、匂いを改良した新商品が紹介された。

サンブライト、ロケットジャパン、不二製油、ダニスコジャパン、CBCが共同で開催した出展社プレゼン「高たんぱく食品開発サポート」は、全プレゼン中最多となる累計440人が聴講。国内食品メーカーの植物性タンパクへの関心の高さがうかがえた。

出展社からは、「味や食感の評価が高く、試食が完売した」「代替肉への利用を検討する来場者が多かった」などの声も。欧米中心の植物性タンパクブームが日本市場に波及するか。今後の動向から目が離せない。

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