クロレラ市場再興の第一歩は“錠剤主体からのシフトチェンジ”と“若年層開拓”にある。「ヴィーガン」「プラントベースのホールフード」「デトックス」「スポーツ」「免疫」など、キーワードは揃っており、それらを後押しするバックデータや海外での流通実績もある。新たな市場開拓に動き出した最新の市場動向をリポートする。
ヴィーガンから着色、栄養強化まで 一般食品用途で存在感
クロレラが一般食品分野で存在感を示している。従来からの抹茶の代替素材(着色)としての需要に加えて、「栄養付加」「ヴィーガン対応」「物性改良(食感・食味の向上)」などの点が評価されている。
「栄養付加」では、“プラントベースのホールフード”として、ベーカリー・麺類・菓子類・スイーツなど、さまざまなジャンルでの採用が進む。
飲食店では、コロナ禍の休業中に料理教室を実施し、クッキング用のクロレラパウダーや、「物性改良」を目的にクロレラエキスを紹介するケースも。
台湾では、高カロリーなタピオカに、クロレラで栄養価を付加した「クロレラタピオカ」の開発や、人気菓子「ヌガー」に採用されるなど、話題を呼んでいる。
抹茶の代替素材としてのクロレラにも新たな展開が。呈味性の高さや退色防止機能は、長年に渡る採用実績で実証済み。“クロレラ味”を謳うリテール商品も登場しそうだ。
今後期待されるのは「ヴィーガン」市場へのアプローチ。米国・イギリス・ドイツなど、先進国ではヴィーガン人口が急増。日本での普及も進んでおり、専門店やオンラインショップ、東京・浅草には国内初の「ヴィーガンコンビニ」もオープンしている。
「ヴィーガン向け防災パンや、ヴィーガンレストランで新規採用された」(クロレラ工業)、「アスリート向けの“ヴィーガンサプリ”の副素材として、クロレラが採用された」(OEM企業)などの声も。
なお、クロレラの栄養成分は、植物性タンパク質を高含有するほか、ビタミン・ミネラルをバランスよく含む点にある。
ミネラル類ではカルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウムなどのマクロミネラルと、亜鉛、銅・鉄などのトレースミネラルをバランス含有。
ビタミン類では、葉酸、VB 6 、VD、VEのほか、植物類には稀有な「ビタミンB12」を含有することが大きな差別化になる。
海外市場、「デトックス」「免疫」で高位安定
欧米市場でのクロレラは「デトックス」機能が評価され、流通量は高位安定している。新型コロナウイルスの拡大に伴い、欧米はもとより、東南アジアでは「免疫対策」でもクロレラの動きがいいようだ。
台湾ではクロレラ+乳酸菌サプリメント(味丹バイオテック)の売上が伸長。昨年11月の中国の大規模ネット通販セール「独身の日」では、日本メーカーのクロレラサプリメントが上位に複数ランクインするシーンもあった。
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