香料は、健康食品原料が持つ独特の味やにおいを矯正するマスキング効果や、香り・風味・味を着香・強化するフレーバー効果を有しており、健康食品の開発に重要な役割を果たしている。減塩・低糖・低脂肪を訴求する商品に対応した香料や、ハラル・ヴィーガンに対応した香料の引合いも好調だ。
健食素材の“クセ”をマスキング 植物タンパク・NMN 等の新素材にも対応
健康食品の原料には「苦い」「えぐみが強い」「魚臭がする」「パサパサする」「ツンとした匂いがある」など、味・香り・食感でクセの強い素材が多い。
香料サプライヤーは、数千種類の香料原料を組み合わせることにより、不快な香りや味の矯正が可能で、青汁、コラーゲン、DHA・EPA、アミノ酸、ウコン、高麗人参、プラセンタ、コエンザイムQ10、藻類など様々な健康食品素材でマスキング実績を有している。
また、高い技術力により、苦味・えぐみ・渋味・青臭さを完全に消さずに“ある程度残す”といった細かい調整も可能。「青汁や漢方茶などで元の香りをある程度残す」「栄養ドリンクではあえてビタミン感を残す」といった健康食品メーカーの細かいオーダーにも対応している。
昨年は大豆・エンドウ豆・ソラ豆などを用いた植物性タンパクのマスキング依頼が増加。ソイプロテインやフェイクミートなどの製品開発が進み、香料サプライヤーには「植物性タンパク特有の粉っぽさや青臭さをどうにかしたい」といった依頼が増えた。
香料サプライヤーから健康食品メーカーに向けた提案も行われている。健康食品原料のマスキングを多く手掛けるサプライヤーでは、新たにNMNのマスキングを開始。「食薬区分の改正が発表されたときから研究を開始し、すでにマスキング技術を確立した」という。
おいしさを生み出すフレーバー香料 プロテインフレーバーの相談多数
フレーバー用途ではプロテイン製品の相談が増えている。
市場の拡大が続くプロテイン製品は、新規メーカーの参入や既存製品のリニューアルが活発で、粉末・ドリンク・バーなど形状を問わず、「商品コンセプトに合ったフレーバーを開発してほしい」、「より美味しくするためにフレーバーを変えたい」といった相談が多いという。
香料サプライヤーではこうした相談に対応するため、新たなフレーバーの開発や、飲みやすさの改良といった研究開発が行われている。
近年、“おいしい健康”という観点から、より一般食品に近い健康食品の開発が進んでいる。
機能性表示食品を中心に、チョコレート、ガム、グミ、キャンディーなどの菓子類や、ドリンク、調味料といった加工食品に健康食品原料を配合するケースも増加しており、食べやすさや飲みやすさに加えて、“おいしさ”も大きな差別化ポイントになっている。
味・香りを操り“おいしさ”を表現する香料サプライヤーの役割は今後も大きくなると考えられる。
減塩・低糖・低脂肪用途で引き合い増
コロナ禍で消費者の食生活が変化した結果、外食の機会が減り、在宅での食事シーンが拡大した。
即席麺、冷凍食品、調味料、菓子類、ゼロ系飲料などの商品では、「減塩」「低糖」「低脂肪」「トランス脂肪酸フリー」などを訴求するため、食塩と同等と塩味を持つ香料や、高甘味度甘味料の口残りを改善する香料、ジューシー感を付与する香料などの引合いが好調だ。
香料サプライヤーでは「家族の健康を考えたい」「日々の食事をより健康なものにしたい」といった消費者需要が増加していると分析する。
これらの香料は介護食品用途での問い合わせも増えており…
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