アレルギー性鼻炎の代替医療に高額を支出する患者の5 割が効果を実感していることが、厚生労働科学研究費補助金による「代替医療の実態と有効性の科学的評価」(研究代表者:岡本美孝氏)の2009年度総括・分担研究報告書で明らかにされた。
全国の成人アレルギー性鼻炎患者7,401人の代替医療利用率は19.3%。代替医療利用率には地域差が存在し、岡山では4 割が利用していたが、スギ花粉症が少ないとされる鹿児島では6.4%にとどまった。
これまでの調査でアレルギー性鼻炎の代替医療に10万円以上を使用していた患者を対象に検討したところ、1 年以上の長期利用が目立ち、50%以上が有効性を実感していた。
代替医療を行う理由は、副作用が少ない点などが指摘された。実態調査を受けて報告書では、「患者の標準治療の副作用の不安、効果への不満足が特に強くあり、対応が必要」としている。
一方、食物アレルギー患児778人の代替医療利用率は18.3%だった。内容は、医師の処方によらない漢方薬、乳酸菌食品、プロポリスが上位。年齢があがるにつれて代替医療の利用率は高まる傾向があり、7 歳以上では3 割が利用していた。