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ブーム収束とコロナ影響で 市場規模500億円割る(特集/酵素)

ここ数年、500億円前半で推移していた酵素・酵母食品市場。一大ブームとなった酵素ダイエットが下火になったことに加え、コロナ禍におけるインバウンドの消失、エステサロン、宣伝講習販売、ドラッグストアなどでの販売が振るわず、2020年の市場は500億円を割った。一方で、コロナ禍で体質改善などを目的とした本来の断食(ファスティング)の関心が高まるなど、市場にとってフォローの風も吹いている。こうした中、各社では、独自発酵・熟成による新原料の開発、エビデンスのデータ蓄積、正しい利用方法の情報発信、越境ECを含めた海外展開など、市場回復に向けた取り組みを進める。

市場は3年連続ダウン ブームに左右されない市場形成に向け始動

酵素・酵母食品市場は、2017年をピーク(540億円)に3年連続でダウンした。

ここ数年の市場は、競争激化による商品淘汰や、中国EC法によるインバウンド需要の鎮静化に加え、行政から景品表示法違反による措置命令が相次ぎ、市場は今一つ盛り上がりに欠ける状態に。

さらに、トレンドが激しいダイエット食品市場おいて、酵素ダイエットブームが終息し、2020年の市場は480億円前後まで縮小したとみられる。

特に、店販チャネルでは中国をはじめとした訪日観光客に人気の商品も多く、コロナ禍において苦戦を強いられた。ただ、メーカーからは「植物発酵エキスの持つ本来の良さを再発信できる」というような声が多数聞かれた。

もともと、酵素・酵母食品市場は「断食(ファスティング)」などによる健康維持や体質改善を目的としたユーザーに支えられ市場を拡大してきた。

その後、プチ断食やファスティングダイエットなどと称される酵素ダイエットブームが訪れ、参入企業が急増。

ドリンク、サプリメント、ゼリーなど、様々な関連商品が上市された。ブームは、中高年女性のみならず、若い女性の獲得にも成功し、市場規模が膨れ上がった経緯がある。

ある販売メーカーの担当者は「体感できる商材なので正しい情報、正しい利用方法を利用者に伝えることができれば市場は早い段階で回復できるはず」と話す。

コロナ禍、体質改善ニーズ高まる 越境EC、海外輸出も回復基調

コロナ禍においては、「店販チャネルは新規の顧客獲得は増えたものの、インバウンド分をカバーできなかった」「昨年前半は、特にサロン向け商材が落ち込んだ」「セミナー・勉強会が思うように実施できず、売上減になった」「腸内環境や免疫に対する関心が高まったが、乳酸菌商材に流れ、酵素商材は思った以上に伸びなかった」などの厳しい声が聞かれた。

一方、「越境ECは昨年後半から回復している」「既存顧客からの注文量は以前とほとんど変わらない」「菌活をキーワードに展開。新規利用者の購入に繋がっている」といった明るいコメントも。

また、コロナ禍で時間にゆとりができ、自分の身体を見つめ直す方法の1つとして、本来の断食(ファスティング)への関心が高まり、「ファスティングをコンセプトとしたOEM案件が増えた」といった声も目立った。

販売チャネル別では…

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