2019年に国内販売額が1兆7,000億円台と過去最高を記録した化粧品市場だが、昨年はコロナ禍でインバウンド需要が激減し、前年比83.9%の約1兆478,4億円に。店販や美容サロンなど打撃を受けた販社の中には、通販に切り替えるケースも。越境ECなど中国を筆頭にアジア諸国での“Made in Japan”化粧品ニーズは旺盛で、日本製の優れた品質が、海外市場で高い評価を獲得している。5月には、業界団体主催では国内最大の化粧品産業技術展「CITE Japan2021」も開催。新たなトレンドとなる原料・製造技術の登場が期待される。
“Made in Japan”コスメニーズ 中国筆頭にアジア諸国で健在
日本の化粧品市場が新たな局面を迎えている。
化粧品市場の国内販売額は、1兆7,593億円(前年比103.8%)と4 年連続で成長した2019年以降、コロナ禍でインバウンド需要の激減や、店販・美容エステサロンなどが打撃を受けたことから、昨年は、前年比83.9%の約1兆478,4億円となった。
新たな傾向としては、巣ごもりの増加に伴い、自宅で時間を掛けてスキンケアに取り組むニーズの高まりから、洗顔類やボディソープ、入浴剤などを通販で購入する層が拡大。越境ECなどアジア諸国
での“Made in Japan”化粧品ニーズも旺盛だ。
爆買いの大半を占めた化粧品について、来日できない諸外国では、「独身の日」など中国を筆頭に越境ECで購入する動きも。資生堂は「独身の日」で前年比2倍超の売上を達成。コーセーも売上構成比27.8%を占めるアジア市場の売上が20%増と好調に推移。
中国のEコマース市場が伸長するほか、免税チャネルも売上増に大きく貢献している。
「シミ」「シワ」「育毛」製品開発活発
こうした中、サプライヤーやメーカーは、将来的な市場を見据えた原料・製品提案に力を入れている。
コロナ禍では、マスクによる肌荒れはもとより、マスク内の高温度下でも、メイク直後の仕上がりが持続するファンデーション技術の開発などが進んでいる。
また、シミ、シワ、育毛関係の通年・多様化は、重要なキーカテゴリーとなっている。「新型コロナで海外向けに影響はあるが、主戦場である国内を見据え、素材の研究開発に力を入れる」「ニーズの高まるノンケミ処方の開発に力を入れている」「サプリメント販社から化粧品の新規開発依頼がある」といった声も。スキンケア、ベースメイク、サンケアの“肌3分野”を中心に、新たな原料や最終製品の提案が活発化している。
グローバルで進むナチュラル志向に対応し…
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第10回化粧品産業技術展「CITE Japan 2021」、5月19日から横浜で開幕
日本化粧品原料協会連合会主催の第10回化粧品産業技術展「CITE Japan 2021」が5月19日㈬~21日㈮の3日間、パシフィコ横浜で開催される。
2003年から開催されてきた同展示会は、業界団体主催による非営利の展示会としては国内最大。日本の化粧品技術の最新トレンドが一堂に集うことから、国内だけでなく、海外からも高い評価を得ている。
新たなデータ取得や、新技術開発といった製品開発期間などを考慮し、2年に一度の割合で開催。今年は、294社982小間(3月12日現在)で開催される。毎回話題となる技術発表会も157本を予定している。
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