コロナ禍でDX(デジタルトランスフォーメーション)に着目する事業者が増えている。経産省はこのほど事業再構築を目指す中小企業・中堅企業を支援する公募を開始。コロナ禍で変化する消費活動に伴い、健康産業でも新たなDX事例が登場している。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、既存の価値観や枠組みを覆すような技術革新をもたらすビジネスモデル。
スマホ利用者の増加やネット通販市場の拡大、さらにコロナ禍に伴う消費活動の変化を受け、事業のDX化に着目する事業者が増えている。
経産省では2018年に「DX推進ガイドライン」を発行し、国内ビジネス環境のDX支援に注力。令和2年度第3次補正予算で1兆1,485億円を計上し、3月26日には、事業再構築促進事業の公募を開始した。
4月15日より全て電子申請にて受け付けており、応募締め切りは4月30日。直近6ヵ月間中、3ヵ月の合計売上高がコロナ以前の同3ヵ月の売上高と比較して10%以上減少している事業者を対象に、新分野の展開や業態転換を支援する。
補助金対象経費は、機械装置・システム構築費、クラウドサービス利用費、媒体掲載・展示会出展などの広告宣伝費・販売促進費など。
事業計画は、全国3万件以上の認定経営革新等支援機関(経済産業大臣認定の金融機関、支援団体、税理士、中小企業診断士)と相談し策定する。なお公募は年度内に4回程度実施予定だ。
活用イメージとして、小売業・製造業のネット販売参入、食品製造業の製造過程で生成された成分を活用した化粧品の製造・販売、フィットネス・ヨガ等のオンライン運営――などが想定されている。
収益改善や業務効率化に繋げた健康産業のDX事例を見ると、WEBセミナーで聴講者数や商談率を可視化したケースや、オリジナルアプリの開発で問い合わせを集約し、社内外の確認作業や受発注作業を自動完結させたケースなどがある。
このほか、個人の肌データに基づいて最適なスキンケアを提案できるIoTシステム『Optune(オプチューン)』(資生堂)や、商談化率を高めるマーケティングオートメーション『Pardot』(江崎グリコ)なども話題となっている。
実店舗とwebサービスを組み合わせる例では、ドラッグストア市場のDX推進が顕著だ。ウエルシア、スギ、マツキヨ、ココカラなどの決算報告では、増収増益要因のひとつに、顧客情報やアプリなどを活用したDX推進を挙げる。
健康食品と医薬品の相互作用の管理ほか、服薬指導の受け皿としての役割だけでなく、店頭在庫の即時反映や購入クリック数の改善、ネット注文商品の店頭受け取りなど、リアル店舗の価値向上とコロナ禍で変化する消費行動に対応するため、新たなビジネスモデル構築を進めている。
世界的に進むDX――。「DXレポート」(経産省)によると…
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