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出足上々、上期4割が増収(特集/水素)

2021年上期は長引く新型コロナの影響が懸念されたものの、今回の取材および調査からは、国民の健康意識の高まりを背景に、上期は4割が増収を達成するなど、上々の出足を見せている。ここ数年、市場を牽引する水素ガス吸入器および、ヘアトリートメントや入浴料などの水素化粧品類は、依然として堅調な動きをキープしており、水素水の需要再燃や対面販売ルートでの水素サプリメントの動きなど、明るい話題が多く見られた。一方、通期の業績について増収を見込んでいる企業は、昨年調査より約2割減の4割に留まっており、長引くコロナ禍、海外展開の減少や国内の景気状況など、先行き不透明感を反映している。

新型コロナ禍、見直される水素の機能性

新型コロナ禍で国民の健康意識が高まる中、水素の健康効果が改めて脚光を浴びている。水素の有能性については、抗酸化、抗炎症、脂質代謝改善など様々な作用が確認されており、そこに付随して医療・健康・美容分野での具体的な症例等に対する研究成果も発表されている。

2020年4 月~2021年3 月の1 年間に国際ジャーナルに発表された論文は膨大な数に上り、水素の機能性についてポテンシャルの高さがうかがえる。

4月12日には、地方独立行政法人・東京都健康長寿医療センター研究所が、「ミトコンドリアと水素の世界」生体調節機能研究と題し、水素の機能性研究の一端を紹介する動画を公開。公的機関による研究成果の動画配信は業界関係者を勇気づける結果となった。

さらに近年は、水素原料・商材を製造販売するメーカーが、自社の原料・商材を用いた研究を行い、学会や論文発表するケースが増えている。

個々のメーカーが取得したエビデンスデータは、薬機法等の関連法規により、広告等で表示することはできないが、独自のエビデンスデータを取得するメーカーが増えていることは、市場が健全化に向かっている証拠でもあり、歓迎すべきである。

水素吸入器、化粧品が市場牽引

本紙では今回、水素商材の主要メーカーを対象に取材およびアンケート調査を実施した(有効回答44社)。今年上期の経営状況について「良かった」との回答は、27%で昨年調査より2ポイント増加。「悪かった」との回答は30%で同2ポイント減少した。

上期の売上高が前年比を上回った企業は、同4ポイント増の43%。下回った企業は、同21ポイント減の22%に留まった。今年上期の水素商材市場の動向を見ると…

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