プロポリスが再評価されている。コロナ禍において抗ウイルスや抗菌、免疫機能が評価され、サプライヤー各社からは、「通販での売れ行きが10~15%伸長した」などの声があがっている。新たなユーザー獲得に向けた取り組みでは、キャンディやスプレー、化粧品、ペット向け商材といったライトな商品開発も。プロポリス市場拡大に向けた取り組みが進んでいる。
高まる健康志向で再注目 販売店での取扱商品拡大も
本紙が主要サプライヤーに取材したところ、コロナ禍の昨年春以降は「OEMの受注が急増した」「通販の売れ行きが好調」「スプレー商材が好調」といった声が多く聞かれている。
昨年夏以降については、ピーク時と比較して一旦落ち対いているものの、「大阪でコロナ感染者が増えた頃から、販売店からの問い合わせや発注が増えた」といった声も。健康志向への高まりでプロポリスが再び評価されている。
流通サイドでは販路拡大の機運も高まった。最終製品を展開する企業からは「某大手ドラッグストアからの引き合いが増えている」といい、昨年は200店舗もっている企業が800店舗に拡大した事例もあるという。「今年は昨対比10%で伸長している」など、コロナ禍を契機に販路拡大の動きも進んでいる。
原料価格が高騰、「2~3割増し」
世界的な需要の高まりと共に、原料価格が高騰しているようだ。サプライヤー各社からは、「中国や韓国、ヨーロッパで需要が高まっている」「生産国(ブラジル)での需要が高まっている」との声が。
ブラジル産プロポリスの原料調達に不安をもつ声もあり、「長雨や森林火災の影響でブラジル国内での生産が伸び悩んでいる」「日に日に原料価格が高騰している」「一昨年から値上げり傾向が続いていたが、昨今ではさらに約2〜3割増し」などの声があった。
現段では各社が吸収できる範囲内で収まっているものの、「今後もコスト上昇が続けば価格改定も検討しなければならない」といったブランドオーナーの声も聞かれた。
インドネシア産プロポリスに新知見
プロポリス原料はブラジル産を筆頭に、オーストラリア、ニュージーランド、中国、インドネシアなどでも生産されている。リピーターを中心とした衰えない支持の背景には、これまで積み上げられてきた機能性研究によってプロポリスの有用性が広く認知されていることが大きい。
海外産プロポリスの研究を行う静岡県立大学食品栄養科学部の熊澤茂則教授は、「現在は世界中のプロポリス研究者が新型コロナウイルスに対してプロポリスを有効に利用できるかどうかを探っている」と話す。
さらに「コンピュータ計算によるシミュレーション結果の段階ではあるものの、インドネシアのスラウェシ島で採集されたプロポリス由来化合物が新型コロナウイルスのメインプロテアーゼと相互作用する能力が強いことを示す研究報告がある」と言及。「このプロポリス由来化合物は我々の研究室により単離したもの。今後、この化合物を含むプロポリスに対する効果の検証が待たれる」と続ける。
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