成長著しいEC市場。2020年は新型コロナの影響で、健食通販の市場規模は5,430億円(前年比5.8%増)まで拡大した。活況なECチャネルに参入する健食メーカーや単品通販(D2C)のスタートアップは少なくない。本連載では、㈱売れるネット広告社CEOの加藤公一レオ氏が、健康食品をECで販売するノウハウについて解説する。
私は単品通販企業が、大手のECプラットフォームに商品を出品することや、自社のECモールを立ち上げることには、大反対だ。
最近はネット通販が好調なので、単品通販のスタートアップが急増している。こうした企業の9 割以上は、どこかのカートシステムと契約し、ECモール作成用の無料コンテンツを利用する。これは20年前まで王道だったが、現在はもはや回り道だ。
そもそもスタートアップ企業は商品を1~2個しか持っていない。世の中のショッピングモールは、基本的に複数の商品が並ぶカタログだ。わずかな商品しか置いていないモールに人が来るわけがない。
SEOでの集客にも限界がきている。青汁にしろ、黒酢にしろ、先行企業のメリットが大きく、新規参入ではほとんど太刀打ちできない。これが20年前であれば、自社サイトを立ち上げて、SEO対策をしっかり講じて、商品数をある程度増やせば、集客できていた。
ただ大半の先行企業がECサイトを持っている今となっては、かなり厳しい。「それならSNSマーケティングだ」と、インスタグラムやYouTubeチャンネルを立ち上げるケースも多い。
ただホリエモンや青汁王子のようなインフルエンサーならまだしも、その辺の一般人の集客力などたかが知れている。はっきり申し上げて、世の中の個人に必要以上に夢を見させるサービスは悪だと思う。
99%以上のスタートアップは初月の売上が0 円。売上が立ったとしても、それはたまたまモール経由で、特徴のある商品に目が留まっただけにすぎず、継続性はない。
集客力のある大手のECプラットフォームは、まだましかもしれない。ただ競合品との値引き合戦に陥りやすく、利益がほとんど出ない。また自分でリピート率を上げて、集客を増やすという観点が持ちづらく、いわゆるモール脳に陥りやすい。
私の20年間の経験則で見てきた中で言えば、わずかな商品ラインナップしかない段階でモールなんてやるべきではない。
それでは、成功している企業は何をしているか?彼らはモールを一切つくらず、ランディングページ(LP)内に購入用の申込フォームを織り込む方法を取っている。
むやみやたらにネット広告を打ち、本サイト(販売モール)へ誘導することもしない…
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