加工特性の良さからサプリメントのみならず一般食品や外食産業にも採用が広がる殺菌乳酸菌(死菌)。機能性研究も進み、免疫への作用をはじめ、口腔ケア、肌の保湿、抗肥満、睡眠の質改善など研究成果は多岐にわたる。なかでも新型コロナウイルスの感染拡大によって免疫への関心がますます高まっており、殺菌乳酸菌への注目が集まっている。昨年、機能性表示食品として受理された「プラズマ乳酸菌」はその代表格で、関連商品の売上はコロナ以前と比べ飛躍的に伸びているという。殺菌乳酸菌は免疫への働きが期待できる素材が多いことから、第2のプラズマ乳酸菌の登場に期待が寄せられている。
□ コロナ禍の救世主なるか
近年の腸内フローラへの関心から、機能性ヨーグルトに代表されるようにビフィズス菌や乳酸菌の摂取気運が年々高まり、健康素材としてのイメージはすっかり消費者に定着した。乳酸菌市場の飛躍的な拡大を押し上げた要因のひとつが殺菌乳酸菌の存在だ。
殺菌乳酸菌は、乳酸菌を加熱殺菌処理して加工したもので、製造工程で乳酸菌体のみを集菌して製剤化することが可能。乳酸菌の濃度を高めることができるほか、菌体が持つ活性を最大限発揮できる状態で製剤化することも可能となる。
一般的に、生菌と比較し菌数を多く規格した原料が多く、機能性活性を高めるという点も殺菌体のメリットといえる。機能性研究では、整腸作用はもちろん、抗肥満作用や美肌(保湿)作用、口腔環境の改善など幅広い成果が確認されている。
なかでも注目を集めるのが免疫への作用。
昨年、キリンホールディングスが届出受理したプラズマ乳酸菌は、「健康な人の免疫機能の維持に役立つ」旨を表示する免疫表示第1 号の機能性表示食品として話題を集めた。同社の発表では、今年の上半期の売上が前年比で5 割増となるなど、市場ニーズにマッチした商品であることを裏付けている。
免疫細胞に作用する乳酸菌素材はプラズマ乳酸菌以外にも数多く開発されており、機能性表示食品の利用はもちろん、コロナ禍における健康管理の救世主としてさらなる普及が期待される。
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