健康産業オンライン

逆風も、向きを変えれば追い風に

上半期を総括する「夏季特別号」(本号第二部)の編集作業を終えて、つくづく感じたことがある。

健康食品産業は強い。感染症が流行れば免疫対策、気持ちが沈めばメンタルケア、お腹の調子が悪ければ整腸サプリ。元気になれば美容だ筋肉増強だ育毛だと。

逆風は時に追い風となり、超高齢化社会の到来や医療費高騰は健康食品市場の拡大を後押しする。恐慌、人口減少、参入過多など、市場がシュリンクする要因はあるが、まだまだ成長できる産業だと日々感じている。

もちろん、逆風に強い健康食品ではあるが、なんでもかんでも売れる訳ではない。そこには、各社の緻密な戦略がある。ここ1 年、市場参入を検討されている企業からの問い合わせも多く、色々話を聞いていると、商品開発、販路開拓に向けた各社の取り組みやマーケティングには頭が下がる。

後発ならではの独自戦略もある。詳しくは書けないが、商品開発で言えば、各都道府県で長寿率が高かった年を調査し、その年の食生活をサプリの商品開発のヒントにしたり、昭和50年の食事が最もストレス、BMI対策に有効というデータをもとに商品開発を検討したり。宅配業者や保険会社や、作家とのコラボ商品の開発の話もあった。

某異業種大手には、商品コンセプト開発に特化した少数精鋭部隊がある。新商品開発のためのコストは惜しまず、ひと月に複数の新商品企画を会社に提出する。この企業は健康食品市場に本格参入している訳ではないが、これまでに数々のヒット商品を生み出しており、健康食品市場に本腰を入れてくれば新たな風穴を開けるかもしれない。

販路開拓で言えば、開店休業中の飲食店、書店、音楽教室、アパレルショップ、海外ネットワーク企業との提携による会員交流など、その仕組みを紹介出来ないのが口惜しいが、詳しく伺えばなるほどと思える戦略は山ほどある。

ヒット商品に不思議のヒット商品なし。ヒットの理由は必ず存在し、そこには緻密なマーケティングや戦略がある。某アパレルブランドは南から夏物を売り、売れ筋商品のみを北上させていく。それもマーケティングの1 つ。ほんのちょっとしたプラスαがヒット商品を生む。そのちょっとした+αを、ニーズやトレンドから導き出す。

甘栗は剥いたらもっと売れるだろうか、そこに気づくのが開発のプロなのだと思う。

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