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健康食品の生産地から消費地へ、転換進む台湾クロレラ業界

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生産ピークを迎えているクロレラ培養工場の全景

 かつて、輸入ローヤルゼリーや蜂蜜の大半は台湾に依存していた。それらの供給国が、台湾から中国に移り、現在、生産技術が集約されたクロレラやスピルリナなどが台湾で生産、出荷されている。なかでも日本市場のブームを背景に拡大してきたクロレラ生産は、その後の日本市場の不振で、低迷を強いられてきた。

 クロレラの伸び悩みはクロレラの機能や安全性の問題というよりは価格破壊と販売方法などのマーケティング戦略の混乱にあると見られている。それだけに台湾企業の対応も遅れていたが、生き残りをかけた事業転換は着実に進んでいるようだ。第一の取り組みは、需要国日本の比率の低下を補うべく、韓国や中国などのアジア、欧州などへ需要先を拡大していることだ。これらの取り組みで、クロレラの機能性に注目が集まり、新たな可能性も生まれている。


 また、生産国台湾から消費国台湾への変化を捉え、クロレラに限らず、サプリメント市場でのリーダーシップを取り始めていることにも注目したい。テレビショッピングや宣伝講習販売などの手法が取り入れられ、台湾国内の消費に止まらず、中国からの観光客などへの売込みなども視野に入れる。
 そして第三には、やはりクロレラの機能研究を進め、単なるクロレラの培養、生産工場から、クロレラの機能性を伴う研究と幅広い藻類研究にも取り組み始めている。中でもクロレラの機能研究では、台湾各社はトクホ制度の活用なども視野に、機能性研究を積み重ねており、最終的には日本市場にも1500トンベースの出荷を目論んでいる。具体的には、肝機能改善やアンチエイジングなどについてのデーターも集めて、現地の飲料・アルコールメーカーとも連携し、トクホ取得などへつなげていく意向だ。
 日本市場では、最盛期には1500トンほどの輸入量のあったクロレラだが、現在は500トンを下回る。青汁やアガリクス、ウコンなど競合商品も登場し、クロレラ自身の幅広い機能とは裏腹に、機能性の訴求が進まず、不振が続いている。とはいえ、国内では、クロレラを使用したトマトや西瓜、魚の切り身の調味材など幅広く使われ、その機能性は食品分野でも注目されて入るのだが。

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