低糖質や自然食ブームに加えて、コロナ禍による健康志向の高まりが追い風となり、ハチミツの消費量が拡大。昨年は、マヌカハニーや生ハチミツが飛ぶように売れた。一方で、ハチミツの9 割は海外産。熱波・干ばつによる生産量の減少、海上輸送費の高騰、世界的な需要の高まりに加え、残留農薬への規制強化を受け、一部の国では、日本へのハチミツ輸出を見送る動きもある。原料価格への影響は。
ビタミン、ミネラル、アミノ酸などが豊富なハチミツ。“低糖質”“自然食”ブームで、その消費量は年々、拡大。昨年のハチミツ輸入量は、前年比10.2%増の約4.9万tとなり、17年から3 年連続で増加している。
昨年3 月放送の『林修の今でしょ!講座』では、ハチミツの抗ウイルス、美肌、骨サポート、血流改善――などの機能性を紹介。コロナ禍が始まった時期だったこともあり、マヌカハニーや生ハチミツが一時、店頭から姿を消した。
「昨年5、6月は例年の3倍近く売れた。今年は落ち着いたが、それでもコロナ前よりは明らかに売れ行きが良い」(自然食品卸)。
今年1月には、中部大学がハチミツ特有のオリゴ糖「マルトビオン酸」の骨中コラーゲンの流出抑制、骨成分の維持効果等の臨床データを公開。機能性表示関与成分としても活用が進んでいる。
現在、日本のハチミツの9割以上は海外品。中国が約7割を占め、ニュージーランド、カナダ、アルゼンチン、ハンガリーなどが続く。
パンデミックで健康志向が高まったのは、万国共通。特に自然食品が好まれる欧米諸国では、ハチミツの消費量が急増。それに伴い20年の輸入価格は、キロ当たり約380円(前年比7 %増)まで値上がりした。
天候不順や異常気象などの影響も大きい。国内のバイヤーからは、「干ばつや熱波の影響で、カナダやハンガリー産ハチミツが不作だった」「コロナで中国での移動式養蜂に、影響が出ている」「コンテナ船の輸送コストが高騰。輸出を控える動きがみられる」などの声が聞かれた。
加えて、残留農薬の問題もある。昨年7 月、NZ産マヌカハニーから、除草剤に含まれるグリホサートが基準値以上検出された。
厚労省は水際対策を強化し、ハチミツについて、今年1月に食品衛生法に基づき、輸入業者に向けて輸入食品に対する検査命令を出し、グリホサートの残留基準は「0.01ppm以下」とした。
これに対して…
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