滋養強壮・疲労回復をはじめ、血流改善、睡眠改善、免疫サポートなど、多くの機能性が報告されている人参素材。市場には高麗人参、田七人参、アメリカンジンセン、シベリア人参など、含有サポニンの種類が異なる人参素材が流通している。エナジー系商品や美容商品での定番化に加え、コロナ禍では免疫サポートのニーズも拡大、ターゲット層の広がりに合わせて新製品の投入も活発だ。
「発酵」「膨化」「熟成」などで原料差別化 免疫・記憶力で機能性表示目指す動きも
高麗人参は朝鮮半島を原産地とし、中国東北部や、ロシア沿海州にかけて自生するウコギ科の多年草植物。ジンセノサイドと呼ばれる特異なサポニンを有効成分としている。
これまでの研究により、疲労回復、血流改善、脳機能サポート、免疫サポート、抗ストレス、睡眠改善、ED対策など多彩な機能性が明らかになっている。
韓国では免疫増強、疲労感改善、記憶力改善などの内容で健康機能食品として認められており、国内では機能性表示食品の受理に向けた臨床試験も進んでいる。
韓国農水産食品流通公社は、昨年の臨床試験で「記憶力・注意力の維持」(関与成分:Rg1+Rb1+Rg3)を確認、受理を目指し届出資料を作成中だ。
今年には「免疫機能」に関する臨床試験も実施しており、「高麗人参の機能性を明らかにし、科学的根拠をもって日本の消費者が摂取しやすい商品開発に注力したい」としている。
原料サプライヤー各社では、ジンセノサイドの種類・含有量や吸収性で差別化した原料の開発・提案を進めている。
ジンセノサイドは腸内細菌叢により代謝できない場合もあるため、「膨張」「熟成」「発酵」などの加工によりサポニン代謝物であるコンパウンドKの規格化や、低分子化を図る動きが目立つ。
人参の部位によりサポニンの種類が異なるため花や果実を使用した原料を提案するサプライヤーも。特に高麗人参の果実であるジンセンベリーは…
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