クロレラが市場拡大に向けて動き出している。「植物性プロテイン」「ホールフーズ(全体食)」として、スポーツニュートリション分野からの注目が高まっている。また、コロナ禍において、エビデンスベースの免疫対策素材としての再評価も進む。“錠剤主体からの脱却”“若年層開拓”をテーマに、エビデンスの拡充や付加価値原料の開発による訴求力強化を進めてきたクロレラに、新たな商機が見える。
気象庁食堂での採用も
クロレラにはタンパク質が約60%含まれており、カルシウム・リン・カリウム・ナトリウムなどのマクロミネラルと、亜鉛、銅・鉄などのトレースミネラルをバランスよく含有。ビタミン類では、葉酸、ビタミンB6・D・Eに加えて、特筆すべきは、植物類では稀有なビタミン12を含む点にある。
赤血球の生成や精神疾患に有効な「葉酸とビタミンB12の同時摂取が可能な天然素材」であることは、他の植物性素材にはない訴求ポイントだ。なお、葉酸とビタミンB6の摂取については、厚労科学研究の大規模コホート研究(2011年発表、対象:男女11万792人)で動脈硬化を予防できることが報告されている。
クロレラの培養方法には屋外オープン培養とクローズドタンクシステムがある。主要産地は台湾、日本、韓国。中国の微細藻類培養メーカーが新規参入の準備を進めているという情報も。クロレラ粉末の原料価格はキロ2000円台半ばが中心。輸送・培養コスト等の上昇を要因に、5~10%前後の値上がり傾向にある。
国内流通量は400 t台をキープ。サプリメント、青汁、一般食品(着色、栄養強化、物性改良)、肥料、飼料まで幅広い。近年では、飲食店とのコラボも進んでおり、栄養価や呈味性に加えて、“SDGs対応素材”として評価されたこともあり、内閣府食堂や気象庁食堂で採用され、話題を呼んだ。
一般食品、飲食店での採用は「クロレラの素材認知拡大」に繋がりそうだ。
市場拡大のキーは「プロテイン」と「免疫」
「植物性プロテイン」「免疫素材」としての市場開拓にクロレラの新たな商機がある。前者では、スポーツニュートリション分野への提案はもとより…
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