殺菌乳酸菌原料の草分け的存在として現在の乳酸菌市場創出の一翼を担ってきた「EC-12」(Enterococcus faecalis )。2002年の販売から今年で20周年を迎え、殺菌乳酸菌素材の代名詞として確固たる地位を築いている。「EC-12」の開発販売を行うコンビ㈱ライフサイエンス事業部(さいたま市桜区、☎048-845-5710)では、今年より事業部長の大盛達也氏が執行役員経営企画室長(事業部担当役員兼務)に、伊地知哲生氏がライフサイエンス事業部長に新たに就任。新体制となり、次なる20年に向けた取り組みを進めている。両氏に「EC-12」の今後の展望について聞いた。
殺菌乳酸菌普及の苦労、「EC -12」20年の歴史
大盛 当社が乳酸菌事業を本格化したのは1990年の後半。殺菌乳酸菌のOEM供給をメインに展開していた。殺菌乳酸菌の認知度はまだ低く、クローズドチャネルを中心にごく一部の専門性の高い健康食品に採用されている程度だった。
当社では、菌体販売やOEM供給を進めると同時に、乳酸菌研究にも力を入れ始めた頃で、エンテロコッカス・フェカリス菌が持つ有用性が明らかになるにつれ、もっと世に広めたいという思いが強くなった。
当時は健康食品の販売戦略という観点から販売チャネル毎に流通の制約もあり、素材を広く普及させることが難しい側面を持っていた。そこで、供給側も採用側も制約を受けない汎用性の高い原料の開発に着目し、2002年に誕生したのが殺菌乳酸菌「EC-12」だった。
伊地知 当時私は「EC-12」の販売営業を行っていたが、世の中は生菌が主流。そのため、原料の案内に行っても門前払いが多く、悔しい思いや販売の難しさに直面していた。
ただ、科学的には殺菌菌体でも有用性があることはわかっていたので「正義は我にある」と信じ、理解を得られるための説明を繰り返し行っていた。
当時はワクチンの例え話をすると理解が得られたことを覚えている。病原体を打つワクチンは、感染力のある生きた菌を打つとリスクがあるため、弱毒化した菌や、或いは死んだ菌のコンポーネントだけを打つ。
実際に生きていない菌でワクチンとしての効果を発揮しているので、免疫に関しては生き死には関係ないと説明し、徐々に殺菌乳酸菌の理解を得ていった。
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