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有機藻類の日本農林規格制定、待ち構えるハードルは?

農水省は昨年12月、「有機藻類」の日本農林規格を公表した。「使用禁止資材」「水環境」「養殖場」など、藻類の生産に由来する環境負荷をできる限り低減した管理方法が定められる。品質面が向上されることで国内での展開が加速することが予想される。一方で、田畑での栽培と異なり、海洋での生産はコントロールし辛い点や設備面でのコストアップに対する疑問も。サステナブルが世界的潮流となりつつある中、新たな規格制定は藻類市場拡大の契機となるのか。

世界的に環境意識が高まる中、「有機藻類」のカテゴリーが新たに誕生した。有機生産の活性化と輸出促進に期待が高まっている。

これまで海外市場への有機品としての輸出は、相手国(EU、カナダ等)の認証制度を利用する必要があった。言語の障壁や審査員の旅費負担等、認証取得におけるコストなどが課題となっていた。

藻類を供給するサプライヤーからは、「有機藻類の日本規格にとても興味がある。藻類の培養はサステナブルな取り組みにもかかわらず、農業ベースの定義から有機と言えないことに釈然としない感情を抱いていた。前向きに検討したい」

「SDGsの浸透やオーガニック・自然食品が注目を集める中、環境対応による企業価値向上が求められている。今回の有機藻類JAS規格は藻類事業拡大に有意義だと捉えている」等の声が聞かれた。

この制度を新たな商機ととらえ、本格的に認証取得に乗り出す企業も。サンライフは、台湾産クロレラの有機JAS取得に向けて動き出した。「藻類での有機JAS取得は国内でも初めての取り組み。諸所精査しながら、検討を進めていきたい」としている。

北海道で有機JAS認証業務を手掛ける㈱ACCISによると、「道内では数ヵ所から申請があがる予定だ。ワカメ、海苔は品質面に不安を感じる消費者も多いことから認証取得はメリットとなり得る」という。

政府のお墨付きを得られれば、ビジネス拡大のチャンスとなる―― 。そんな発想をもつ企業がある一方、制度のハードルが高いとみるサプライヤーも…

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