美容訴求素材として国内では安定した売上をみせるコラーゲンペプチド。コロナ禍でインバウンド市場が喪失したことによって一時売上が凹んだものの、主要各社への聞き取りでは昨年から需要が戻り、売上も回復傾向にあるという。一方で、コラーゲンペプチドのニーズはグローバル規模で急伸しており、世界市場の年平均成長率は5.5%の水準で推移するとの試算も。各国による原料の奪い合いの様相も呈してきており、価格の引き上げは避けられない状況だ。国内では、美容訴求用途はもちろん、コロナ禍での運動不足によって引き起こされている筋肉や関節、腱などの衰えに対応する素材としてもフォーカス。特に、機能性を際立たせた高付加価値型コラーゲンへの関心が高まっている。
工業組合発表 2020年度出荷量減少に コラーゲン販売量5,874トン
日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が毎年発表しているコラーゲンペプチドの販売量の最新版(2020年度、昨年5月発表)では、前年度比1 %減となる5,874トンとなり、2013年から5年連続で過去最高を更新していた記録がストップした。
このうち「食用」用途の販売量は、前年度比11%減となる4,555トンと落ち込み、新型コロナウイルスの影響は避けられなかった格好となった。
調査は、同工業組合に加盟している14社を対象に実施したもの。食用が前年度比11%減の4,555トン、医薬用は同10減の70トンだった。特にインバウンド需要が喪失したことや、コロナによる商品開発の鈍りの煽りを受けた。
一方で輸出は好調で、同64%増1,216トンと大幅に伸ばした。同工業会では「海外ではサプリメントが好調であり、輸出の増加につながった」とコメント。国内コラーゲンメーカーによると、中国越境ECやベトナムなどの東南アジア向けの輸出が好調のようだ。
2021年度版は今年5月に発表予定だが、各社からのヒアリングでは復調傾向にあることが窺え、「止まっていた商品開発の案件が動き出した」「海外輸出に係る部分で伸びていている」といったコメントが共通して聞かれた。
記事全文は紙面にて。定期購読のお申し込みはこちらから(オンラインでの閲覧も可能です!)
受託製造企業ガイドブック2022年版」 好評販売中■