クレアチン、L-カルニチン、HMB、イミダゾールジペプチド――。疲労回復や筋肉リカバリーを目的に、これらの機能性成分を摂取するアスリートは多い。オリンピックに出場した国内アスリートの9割以上が何らかのサプリメントを使用していたという調査結果も報告されている。サプリ摂取において何より怖いのは、ドーピング違反。選手はもちろんのこと、アンチ・ドーピング(AD)に取り組むサプリメーカーが年々増えている。なかには、一般消費者向けに製品の品質をアピール手段としてAD認証を取得するケースも見受けられ、サプリ市場でのADの存在感が高まっている。
■ トップアスリートの9割がサプリ摂取
疲労回復や睡眠質の向上、筋肉リカバリーを目的にサプリメントを摂取するアスリートは多い。
慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センターの2020年の調査では、国内の陸上競技選手の約3分の2がサプリメントを利用していることが明らかとなった。
調査は、2013年7月~ 2018年10月に開催された38の陸上競技国際大会に、日本代表として参加したアスリート574人(男性314人、女性260人)を対象としたもの。
サプリを利用しているアスリートの割合は63.9%と、全体の約3分の2を占めた。性別に分けると、男性59.6%、女性69.2%だった。利用されているサプリ成分は、アミノ酸が49.8%でトップ。ビタミン48.3%、ミネラル22.8%、タンパク質17.8%と続く。
この調査結果からは、男女関係なくサプリ使用に前向きなアスリートの姿勢がうかがえる。オリンピックに出場するようなトップアスリートになると、この傾向はさらに強まる。
国立スポーツ科学センターの報告によると…(中略)…
■ CBD以外のカンナビノイドは違反対象
禁止表国際基準には、筋肉を増強させるタンパク同化剤(ステロイド)、赤血球造血に影響するホルモン調整薬(代謝促進剤)、成長因子調整物質、コカインやMDMA等の興奮薬、モルヒネ、ペチジンといった麻薬などが該当する。
そのほとんどは、医薬品に該当し、通常サプリメントに含まれることは考えづらいが、製造工場でのコンタミによる混入リスクはゼロではない。
またマオウ、ホミカエキス、カイクジン、ジャコウなど滋養強壮薬や漢方薬等に含まれるハーブ成分の一部は、ドーピング違反に該当するものもある。
また近年、欧米を中心に市場が急拡大しているCBDにも注意が必要だ。CBDは、麻科植物に含まれるカンナビノイドの一種であり、抗炎症、睡眠質改善、免疫賦活等を目的に利用されるケースが多い。
禁止表国際基準には、カンナビノイドの項目が設けられており、CBDを除く全てのカンナビノイドの使用が禁止されている。CBDオイルの中には…
記事全文は紙面にて。定期購読のお申し込みはこちらから(オンラインでの閲覧も可能です!)
受託製造企業ガイドブック2022年版」 好評販売中■