健康酢市場が様々な施策により健闘している。本紙編集部は、全国の食酢メーカー、サプリメントメーカー及び原料サプライヤー約50 社に取材およびアンケート調査を実施。市場を牽引する黒酢は、体感の高さやリピーター層に支えられ、安定市場を維持。また、機能性研究を通じて、「内臓脂肪の減少作用」「抗疲労作用」「血圧低下作用」などの健康機能が幅広い層に浸透している様子がうかがえた。成長著しいのが果実酢。ヒット商品のビネガードリンク『美酢』が起爆剤となり、若年層の取り込みに成功。健康酢全体の底上げに貢献した。㈱KSP-SPが行った約1,000店舗のお酢関連のPOSデータの集計では、ビネガードリンクの売り上げは2020年が昨対比112.73%、2021年は昨対比100,13%の伸びとなった。追随する形で、各社、ビネガードリンクの製品開発や、プロモーション施策を積極的に展開。2022年は、7割のメーカーが昨年より市場全体が良好になると見込んでいる。
伝統健康酢・黒酢 コロナ禍で飲料・サプリともに健闘
コロナ禍をきっかけに、中高年はもとより、若い層の健康意識が高まっている。発酵食品の人気から、若い層がお酢の健康機能にも注目して、気軽に摂取する傾向が高まっている。
健康食品業界でいう健康酢は「ビネガードリンク」タイプと酢酸やアミノ酸などお酢の成分を「サプリメント」にした2 タイプを指している。
健康酢の代表格である黒酢は、ドリンク、サプリメント共に安定した市場を築いている。「黒酢=健康に良い」というイメージは世間一般にも浸透しており、特に中高年層に一定の顧客がついている。
黒酢には2種類があり、1つが江戸時代後期から約200年間受け継がれた製法による鹿児島県霧島市福山町を産地とする「壺造り黒酢」。独自の壺で1年~5年ほど発酵して作られる、世界でも珍しい製法であり、一定の地位を築いている。
壺造り黒酢の醸造所は、約5万個の専用壺を有する坂元醸造を筆頭に、重久盛一酢醸造場、福山酢醸造などが伝統製法に基づいて製造している。
これらは、農林水産省が認可した地理的表示保護制度であるGIマークが付与でき、市場では付加価値製品として流通している。
もう一種類が、Mizkanやタマノイ酢、マルカン酢など大手メーカーによる大量生産品だ。全国のスーパーや薬局などで、希釈タイプや黒酢飲料、「内臓脂肪の減少」「疲労感の軽減」などを表示した機能性表示食品として販売されており、安価で手軽なアイテムとして認知される。
タマノイ酢はロングセラーの『はちみつ黒酢ダイエット』がコロナ禍では、スーパーや薬局で好調だったという。マルカン酢は、昨年発売したワインのように飲むお酢が通販ルートで好評だったことから今年3月に『飲む黒酢』シリーズ3 品を同時発売した。
酢を原料としたサプリメント市場では、黒酢を用いた製品が大半を占め、その他、中国の香醋を用いた製品も上市されている。今回の取材では…
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