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「SDGs」「旨味」「栄養価」で新たな市場開拓を(特集/昆虫食)

昆虫食がサステナブルフードへと新たなステージへの歩みを進めている。世界的なサステナブル志向で市場規模は拡大傾向にあり、2030年度は8,000 億円に到達するとの試算もある。国内では昆虫食を資源循環や未利用資源で生産することでフードロスや廃棄物の削減につなげる取り組みが始まった。サプライヤーサイドでは、昆虫食の旨味成分や豊富な栄養素を訴求する動きが本格化、小麦粉の代替として麺類やパンなどに添加する提案も進んでいる。

世界市場、30年8000億へ サステナブル食品として普及

世界の昆虫食市場が拡大している。Barclays社が発表した調査結果によると、2019年度の市場規模は70 ~ 150億円。2030年度は8,000億円に拡大すると予測している。

昆虫食が注目を集める契機となったのは、FAO(国際連合食糧農業機関)が2013年に発表した報告書にある。「世界は深刻な食糧問題に直面している。近い将来、人口増加に伴い動物性たんぱく質の需要が増し、食糧や家畜の飼料が不足する」と指摘。

「昆虫食は栄養価が高く、家畜に比べて低コストで飼育でき、地球環境と人々の健康に貢献する」と提唱したことで、市場形成が本格化した。

国内市場の起爆剤となったのは良品計画の『コオロギせんべい』。即日完売したことが話題となり、食用昆虫の認知度が高まった。

その後、昆虫食市場に参入する企業が相次ぎ、昨年は100円で買える昆虫食も登場。100円ショップ・ダイソーでは『コオロギせんべい』を昨年11月から販売した。

今年はペットフードの商品化も。ドギーマンハヤシは2月、ハムスター・フェレットなどの小動物向けおやつを発売した。「健康のためにはペットも多くのタンパク質が必要だ。地球と生命が健やかになれるサステナブルな世界を目指したい」としている。

昆虫食は各種メディアの露出も目立つ。テレビでは今年2月、「サイエンスゼロ」(NHK)で、環境に優しい方法で飼育できることなどが紹介された。見た目や味が悪い“ゲテモノ”イメージから、昆虫はサステナブル食品としての立ち位置を構築しつつある。

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