カプセルタイプのサプリメント開発が増加傾向にある。免疫対策や腸活、ダイエットといったカテゴリー向けの製品開発が進む中、耐酸性や崩壊遅延防止といったカプセル技術の需要は、乳酸菌市場の拡大や、崩壊性が義務化された機能性表示食品を中心に伸長。液体充填やリポソーム(ナノ化)、三層シームレス、植物由来といったカプセル技術は、機能性素材との組み合わせでさまざまな機能改善や付加価値化が期待できる。“二酸化チタンフリー”など新開発のカプセルも登場した。
乳酸菌関連や機能性表示食品で存在感
もともと医薬品の剤形から食品用途へと利用が進んできたカプセルは、素材の特性や機能性に合わせてカプセルを選定することで、素材の長所を最大限に引き出すアプリケーションが特徴だ。
製造工程においては、充填する原料の酸化など品質劣化の原因と物理的要因が少ない点や、賦形剤を入れず高い比率で配合できる点などのメリットがある。
コロナ禍においては、乳酸菌・ビフィズス菌用途を中心に、ダイエットや腸活・免疫対策などを訴求した製品開発において、胃酸から素材を保護する耐酸性カプセルの引き合いが伸びている。
機能性表示食品においては、崩壊性試験の義務化を背景に存在感が増している。カプセルメーカーはもともと崩壊性試験後に製品を提案していることから、崩壊性が義務化されて以降、機能性表示食品の製品開発に採用されるケースが増加傾向ある。サプリメント形状(累計受理数2,736品・3 月30日現在)の半数近くをカプセル製品が占める。
高機能化進むカプセル技術
サプリメント市場では、ハードカプセルと、ソフトカプセルを中心に、サイズの大小や「涙」「三角」といった各種のカプセル形状はもとより、素材や成分の特性に合わせて、耐酸性、崩壊遅延防止、液体充填、リポソーム(ナノ化)、カプセルインカプセル、二酸化チタンフリー、植物由来、ハラル対応、シームレス——などさまざまな機能を付加したカプセルが流通している。
ハードカプセルは、賦型剤をいれなくても、原料を入れるだけで商品化でき、他の剤形に比べて製造工程が少ないため、製剤化・商品化が早いというメリットがある。
ゼラチン皮膜に加え、2007年2 月27日付官報に使用基準が改正され、保健機能食品(特定保健用食品+栄養機能食品)だけでなく一般食品にも使用可能となった植物由来のセルロースHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルが流通。内容物の安定性の向上、乾燥条件下でも割れにくい—といった特性を有し、従来、困難だったビタミンCやハーブ類など吸湿性素材の充填が可能なため、市場に占める割合が増えている。
一方、ソフトカプセルは…
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