アガリクス、タモギダケ、冬虫夏草、霊芝、ヤマブシタケ、ハナビラタケなど健食・サプリに活用されるキノコは、多種多様だ。キノコにはβ-グルカンをはじめ、食物繊維、ビタミンD が豊富に含まれており、免疫賦活、整腸、美肌などが訴求されるケースが多い。最近では、エルゴチオネインやナトリードなど特有成分に着目した研究が進展。脳機能、フェムケア分野でのエビデンスを蓄積し、他素材と差別化した提案が加速している。機能性表示食品分野ではタモギダケ、エノキタケ、白雪茸由来成分の活用が進み、脳機能改善、肝機能改善、整腸、体脂肪減少に関する届出が受理されている。
米トレンド予測に、機能性キノコ
菌という漢字の訓読みが“きのこ”だと知らない人は、業界関係者でも意外と多い。近年は腸内フローラへの注目の高まりから「菌活」がブームとなり、スーパーの生鮮売場には、“キノコで菌活”“キノコを食べて腸を綺麗にしよう”などのキャッチが増えた。コロナ禍の免疫需要もあり、売上も上々だという。
キノコは真菌の一種であり、菌糸と呼ばれる白い糸を地中や生物の皮膚に伸ばすことで成長する。β-グルカンをはじめ、ビタミンD、食物繊維、アミノ酸類が豊富に含まれている。
日本に生息するキノコだけでも5,000種類以上と言われ、そのうち食用に利用されるのは、マイタケやヒラタケなど約200種類。健康食品には、冬虫夏草、霊芝、アガリクス、タモギタケ、ヤマブシタケ等が利用されている。
キノコ素材を配合した健康食品は、主にDgS、漢方相談薬局、医療機関などで販売されている。最近はオーガニック専門店や薬膳料理店、SM、ペットショップ等でも商品が見受けられる。
本紙取材では、「コロナによる免疫ニーズが続いている。昨年のサプリ売上高は、前年比2ケタ増と伸長した」「海外向けの茶、ソバ、コーヒーなどに利用されるケースが増えている」などの声が聞かれた。
商品の剤形は、飲料、錠剤、粉末、茶、ソバ、キャンディなど様々。複数のキノコ素材をミックスした製品が主流だが、「アガリクスキャンディ」や「霊芝コーヒー」のような1つのキノコを前面に押し出す商品の人気も根強い。
過去にはアガリクスショックによる逆風が吹いた時期もあったが、霊芝やヤマブシタケ等が海外でスーパーフードとして注目されたこと、新型コロナで世界的に免疫需要が高まったこと等が追い風となり、販売量を伸ばすサプライヤーも少なくない。
主要企業数社への聞き取りでは、原料供給量は横ばい~微増で推移しており、昨年の健食キノコの流通総量は105~110%と見られる。
今年3月に北米で開催された「ナチュラルプロダクツエクスポ・ウエスト」では、「Lion’s Mane(ヤマブシタケ)」を配合し、免疫賦活、脳機能改善を訴求したサプリメントや茶が多数、出品された。
また、インフォーマグループの米業界紙NBJが発表した「2022年のトレンド予測」では…
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