本紙編集部は、健康食品の受託加工・製造企業約250社(有効回答132社)を対象とした調査を実施した。今年上期の経常状況が良好だった企業は、前年調査より5ポイント増の35% だった。「悪かった」と回答した企業も9ポイント減の13%に留まり、受託市場は回復路線に入ったことがわかった。人気受注素材では、国内で市場形成が始まっている「NMN」がトップに。「乳酸菌」「コラーゲン」「プロテイン」も票を集めた。一方、原材料や資材などの高騰が加速。工場のエネルギーコスト増なども重なり、下期に向け不安を残す結果となった。各社、仕入れ先の見直しや、値上げ実施などのほか、代替品の対応、発注ロットの見直し・集約、製造の効率化など、可能な範囲で自助努力できる対応策を模索している。今年下期は不安材料もあるが、5 割強が増収を見込む。
上期増収企業は44% 下期経営見通し、6割が「どちらともいえない」
調査では、売上高や増減率、経営状況、市場の景況感、設備投資の現状、人気受注素材、輸出製品の受注実績や機能性表示食品制度への対応状況、新型コロナウイルスの影響、今後の見通しなどについて聞いた。
調査対象の企業の売上高は10億円未満が50%、10億円~50億円未満が28%、50~100億円未満が10 %、100億円以上が11%。今年上期の売上が前年同期を上回ったのは44%で、昨年調査と一緒だった。売上が下回ったのは34%で、昨年調査から6ポイント減少した。
今年上期(2022年1 月~ 6月)の経営状況は、前年調査から5ポイント増え35%が「良かった」と回答した一方、「悪かった」との回答は13%で、前年調査から9ポイント減少した。「どちらともいえない」との回答は4 ポイント増え52%だった。
「良かった」と回答した企業からは、新規顧客の獲得や、既存顧客の安定した受注確保のほか、「コロナ禍で落ちていた分が回復した」「新工場の本格稼働に伴うドリンクの新規案件が増加」「乳酸菌関連の受注が増えた」「取引先の機能性表示食品の販売が好調だった」「国内需要の復調、海外需要の増加」など、明るいコメントが聞かれた。
…(中略)…ただ、長引くコロナ禍に加え、不安定な世界情勢から様々なもの価格が高騰し、物流遅延が相次ぐなど、健食業界にも大きな影響をもたらしている。各社では、仕入れ先の見直しや…
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