“高吸収”に照準をあてた製品開発が活発化している。サプリメントや機能性表示食品の体感性や即効性を高めるエンハンス開発は、サプリメントはもとより、商品化に欠かせないキーワードになっている。素材分野では、（発酵、還元型、ナノ化、微粒など）素材自体の吸収性を高めたものや、主剤の吸収性をサポートする“機能性素材のための機能性素材”の採用が進む。技術分野では、ナノ（リポソーム）化、微粒子化、発酵技術を活用することで、有効成分の高吸収を訴求するＯＥＭ供給や素材の一次加工を提案する受託製造企業が目立つ。吸収性の向上は「体感性アップ」に加えて、有効成分や摂取粒数の少量化にも繋がることから、「コストメリット」も評価されており、（NMNなど）主剤が高価なサプリメントへの応用が進んでいる。
機能性表示の登場でより高まる 吸収性・体感性ニーズ
「効率的な吸収による“体感性・即効性向上”」にスポットを当てた処方提案が活発化している。主剤選択とともに、有効成分の吸収性向上を実現する素材・技術、成分の体内吸収を高めるカプセルや錠剤用添加剤などへの注目が高まっている。
ブランドオーナーサイドからは、「無料サンプルでいかに体感・即効性を感じてもらえるか。それが本購入への入り口」（大手通販企業）、「機能性表示食品の登場で、これまで以上に、一般消費者から効果感が求められている。全てが即効性を求められる訳ではないが、体感性の向上は商品開発の永遠のテーマ」（受託製造企業）との声も。
大手フィットネスの開発担当者は、「ホットヨガのプログラムの前にサプリメントのサンプルを配布している。例えば発汗を高めるサプリメント。体感があれば、プロショップでの購入割合は３割を超える」としている。
「コロナ禍においては、新たに発汗を促すサプリメントを開発。“動く前に飲む”をコンセプトに、自宅での運動やマラソン前の摂取を訴求した」としている。
吸収性向上素材・技術は、ジャンルを問わず、さまざまな商品への応用が可能なことから、ビタミン・ミネラル補給を訴求するベーシックサプリメントから女性向け（冷え性・美容）、男性向け（男性機能向上、育毛）、アスリート向け（代謝・発汗促進、疲労回復、関節炎対応）まで、活躍フィールドを急速に広げている。
有効成分（主剤）や摂取量の少量化にも寄与することから、コストメリットの側面からの評価も高い。クロレラやグルコサミン、MSMなど目安摂取量が比較的多い素材や、NMNなど主素材が高価なサプリメントなどへの応用にメリットがある。
吸収性向上素材は「汎用型」「特化型」「個別型」に大別される。「汎用型」では…
続きは本紙で。定期購読のお申し込みはこちらから（オンラインでの閲覧も可能です！）
■「受託製造企業ガイドブック2022年版」 好評販売中■
