昨年、例年にないスギ花粉の飛散で花粉症対応商品の需要が拡大した中、花粉症、アレルギー対応素材
として裾野を広げたみかん由来の「ヘスペリジン」。古くからみかん、レモンなどの柑橘素材は生薬として使われ、特に、成熟前の「青みかん」の皮にヘスペリジンが多く含まれることが近畿大学の研究で判明。同大学がサプリメントを開発したのを皮切りに、㈱林原グループの林原生物化学研究所で開発された水溶性の「糖転移ヘスペリジン」により、大手メーカーが参入。サプリメントのほか、飲料などの食品添加物
にも加えられるようになった。最近の研究では、他素材との配合による抗アレルギー率向上作用、冷え症抑制、血清脂質改善作用、血中コレステロール抑制、骨密度減少抑制、美肌――などのデータが発表されている。今後はこうした花粉症対応以外に、有効な機能を持つ素材として訴求していくとみられ、㈱林原では、より高い安全性と作用機序の進め、将来的にトクホ取得を視野に入れ相次いでいるなど、エビデンスに基づいた市場確立が進んでいる。柑橘由来のヘスペリジン市場をリポートする。