健康産業新聞と三菱商事ライフサイエンス㈱は7月22日、業界時事ウェビナー「エイジングケアとサプリメントの現状ーポストコロナ時代、サプリ業界に今、求められることは?」を共同開催、約280人が参加した。
医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長の久保明氏が「サプリメントサイエンス追求の現況」と題して登壇。米国予防医学におけるサプリメント成分への最新見解、臨床試験データなどを紹介した。
同氏は、各種ビタミン類、β-カロテン、カルシウム、葉酸等についてポジティブだけでなく、ネガティブな見解、論文が発表されていることを踏まえ、「血中の成分濃度、指標成分などを視野に入れて、一歩進んだ解析を進めることが重要だ」と指摘。
エイジングケアについては、「抗酸化、抗糖化、抗炎症物質を摂取することが有効だと考えられるが、臨床において期待した結果に至らないことは多い」ことを説明した。
その要因として、疾患の進展が長期にわたることを挙げ、「例えば、動脈硬化を予防するには、数年以上の経過観察が必要であるし、糖尿病には発症まで5~10年のプレ期間がある。その中で、成分の種類、投与量、遺伝的因子の影響、体内での吸収経路などを考慮して、試験をデザインしていくことが求められる」と述べた。
また、サプリメントの注目成分として、米国医学誌『Medical Clinics of North America』の栄養ガイドライン2022の中で、新型コロナに対するポテンシャルロールとして掲載されたグルタチオンについて言及。
「グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンという非常にシンプルなアミノ酸で構成された成分で、酸化ストレスのコントロールという点では、非常に古くから注目されている。体内の局在においては、肝臓、腎臓に多く存在し、加齢により減少することが知られており、インドで実施された研究では、コロナ重症者の体内でグルタチオンが大きく減少する確認された」と述べた。
さらに同氏は、グルタチオン摂取によるビタミンC 活性によるコラーゲンの産生促進、ユーメラニンの合成阻害、NAFLD(脂肪肝)の抑制、インスリン感受性の改善などの有効性データを紹介した。
該当記事は本紙8月3日発行号(1745号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから
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