イギリスは人口約6,820万人で日本の6割弱だが、EC最先進国の一つであり、販売額は前年比21.6%増の23兆3,200億円(Statista)と、人口が圧倒的に多い中国、アメリカに次いで世界3位。ヨーロッパではドイツと並んでEC市場の成長を牽引する存在だ。
4,000〜5,000円以上の比較的高価格帯の商品が売れやすく、サイト上で商品説明をしっかり行うことで、日本発の健康食品がヒットする。現在は歴史的な円安の影響で、価格競争でも日本企業は勝負がしやすい。
イギリスでは、イーベイ、アマゾンが2大ECサイトとなっている。越境EC進出サポート事業を行うジェイグラブの横川広幸氏は、イーベイには越境ECを行う際に検討されることが多いアメリカ市場への出品と同時に、同一アカウントでイギリスに出品できる機能があるため特に越境ECに初めて取り組む企業に薦めている。
イギリスの消費者は中間層から高所得者層までが多く、高額商品も販売しやすい。また、中国等と比較して日本企業の進出が進んでおらず、現在はサプリや化粧品の分野では比較的ブルーオーシャンとなっている。送料はアメリカより若干安い1 点800円ほどのことが多い。
横川氏はイギリスへの越境ECの注意点として、「アカバン」を挙げる。アマゾン、イーベイともに販売画面の表示ガイドラインを厳しく定めており、違反した場合には取引が停止(アカバン)してしまう。
「美白」という表記、「ダイエットのビフォーアフターの写真」はじめ、数多くの注意点がある。ガイドラインをよく確認することが基本だが、違反に対しアマゾンは「一発アウト」、イーベイは「一時停止の後、改善」を求められる。
そのため、「初めにイーベイに出品して、問題がないことを確認してからアマゾンに出品する企業も多いという。
プロモーションは、他国と同様SNS広告が中心となるが、注意点は費用が高額であること。例えばインドネシア市場でのSNS広告と比較して、同様の規模の広告出稿で100倍の費用が掛かることもある。
ただし消費者からの関心は高く、消費者から「この価格だったら買う」と値下げ交渉の逆オファーが届くこともあるという。SNS広告でのブランディング費用が高額となる中で…
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