栄養価の高さやスーパーフードとしての認知度アップにより、ますます注目される雑穀。昨今では「ボディメイク」を目的とした新たな需要も生まれている。もち麦はブームから定着期に突入、おかゆ商品はコロナで自宅療養する人の需要もつかんだ。新品種「フクミファイバー」は、褐変程度の低さや賞味期限の長さを実現、食品ロス削減の観点で注目を集めている。キヌアはグルテンフリーのスーパーフードとして、スポーツ選手の利用が浸透。新たなレシピ開発等も需要増を後押しする。大麦の機能性研究では、Ⅱ型糖尿病患者の血糖値上昇を抑制したとする新たな知見が発表された。
「ボディメイク」がキー フィットネス利用層も
ブームから定着期に移行したもち麦。「この10年弱で7.5倍に伸長した」「2 kg入りなどの大容量パックの販売が伸長」などの声があがっている。
昨今では「ボディメイク」をキーワードとした需要も。お笑い芸人のなかやまきんに君がもち麦を紹介したことを契機に、フィットネスジム利用層の需要もつかんだ。
このほか、災害に備えた備蓄商材の引き合いも。量販店では防災企画コーナーの棚づくりが進み、新たな需要を呼び起こしている。
もち麦以外では、「押し麦」「もちキビ」「オートミール」などの引き合いが。「押し麦」は麦ごはんでの利用が目立ち、手軽さ・安価さが需要を後押し。もちキビは長年利用するリピーターに支持されている。
「オートミール」はダイエットに成功したとするSNSの投稿を機に浸透。レシピ本が多数上市されるなど、近年にわかに注目度が増している。
SNS活用による認知普及活動も進んでいる。日本雑穀協会はこのほど、産地の様子を伝えるフォトコンテストを実施。
「コロナ禍のため、多くの人数で産地を尋ねることが難しい状況だ。有資格者や協会会員による雑穀産地のSNS投稿を通じ、雑穀の魅力を多くの消費者に伝えたい」としている。
「健康に良い」消費者に浸透 糖尿病患者のエビデンスも
麦ごはんについて、約4割が健康に良いイメージもつとする調査結果が示された(はくばく調べ)。
麦ごはんで想起する内容は、「健康に良い」(41.8%)、「食物繊維が豊富」(37.0%)、「白米より高い栄養」(34.8%)、「手軽」(30.8%)、「お通じに良い」(27.6%)、「腸活によい」(23.8%)「ダイエット」(22.7%)の結果に。前年比で最も伸長したのは「食物繊維が豊富」の10.6ポイント増だった。
糖尿病患者を対象とした新たな知見も報告されており…
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