“温活”が定着したことで、身体を温める商材は季節商材から年中商材に成長している。とはいえ、売れ行きが最も伸びるのは秋冬だ。今回の取材およびアンケート調査では、家庭用医療機器や健康機器類、入浴剤、温感衣料品などノンフーズ分野は堅調な動きが見られた。またショウガやヒハツ、高麗人参などの温感素材を用いたサプリメントなどフーズ市場では、機能性表示食品の受理品数が1 年で約50 品増加。商品開発ニーズは旺盛で、原料サプライヤーは好調だ。一方、機能性表示食品の販売メーカーにはまだ受理効果が十分見られていないこともわかった。今後の課題は、機能性表示食品の認知度向上、温活実践者のさらなる増加に向けた取り組みとなる。
“温活”認知度、女性の7割に
健康・美容のために日常的に身体を温める“温活”というライフスタイルが近年、女性層を中心に人気を集めている。(一社)よもぎ温熱セラピー協会が今年6 月、20~ 59歳の女性1,000人を対象に実施した調査によると、「温活」の認知度は69.9%と、多くの女性にとって、温活が身近なものとなっていることがうかがえる。
さらに、最近では女性特有の悩みをケアする「フェムケア」分野が話題を集めており、温活もまた同分野と親和性が高く、“フェムケア温活”といったワードも生まれている。身体を温めることによるメリットは、血行促進に伴う冷え症状の改善はもちろん、深部体温を上昇させ免疫力や自然治癒力、基礎代謝の向上、ストレスケアや快眠サポート、発汗に伴う体内に溜まった老廃物のデトックス作用、さらに肥満やセルライト、むくみ、シミ・シワ、髪のパサツキの改善などの美容・エイジングケア効果――など、数え上げればきりがない。
他にも最近では、体内の血行を促進することで関節の可動域が高まる、脳内の血流を改善して認知機能が向上するなどのデータも発表されており、未病や予防介護対策としても身体を温めることが注目されている。また、「ヒートショックプロテイン(HSP)」への関心も高まっている。
HSPとは、熱ショックタンパク質とも呼ばれ、入浴など全身加温によって体内に増加するタンパク質のこと。HSPには傷付いた細胞の修復、ストレスから細胞を守る、白血球(リンパ球)の増加やNK細胞の活性化――など、様々な生理作用が確認されている。
ハードな運動を行うアスリートは、体内の活性酸素量が増加し、細胞や組織にダメージを負うケースが多いことから、以前からコンディショニングやボディメンテナンスの分野で、温熱ドームなどHSPを増やす機器類などを用いて全身加温を実践してきた。最近では…
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