沖縄健食産業を牽引する金秀バイオ㈱(糸満市西崎町)。県産素材を活用した原料・OEM供給から製品販売まで一貫体制を構築している。主力のフコイダン事業は、海外における販売地域の拡大を推し進める。昨年には、海洋性微細藻類2素材を開発。「植物性DHA・EPA」「スーパーフード」「SDGs」を切り口に提案を進めている。同社・代表取締役社長で、沖縄県健康産業協議会の会長も務める宮城幹夫氏に話を聞いた。
国内外におけるフコイダン事業について
2021年度(3月期)のフコイダン事業は、海外市場の売上が好調に推移しました。ベトナム、インドネシア、米国などへの販売量が伸び、海外売上は前年度比3割増となりました。
特にベトナムは、フコイダンの含有量、品質の高さなどが評価され、年々販売量が増えており、金秀ブランドが着実に浸透していると手応えを感じています。
また、コロナ禍でここ数年、思うような販促活動ができなかった海外展開については、3 年振りに12月に開かれる「Fiヨーロッパ食品素材展」に出展します。新たな市場として力を入れていきます。
国内市場は、インバウンドの激減などで2020年度の売上は厳しい結果でしたが、2021年度は、既存顧客を中心に注文量が回復しました。今期も堅調に推移しています。
一方、持続的な安定供給体制を整えるべく、沖縄の環境に適したモズクの優良株の探索について、県内研究機関、生産者などと協力して研究に取り組んでいます。
生産量、収率などに関するデータも得られており、効率的な生産に繋がればと思います。このほか、モズクの残渣をウニの飼料や農業用肥料として利用する取り組みも行っています。
微細藻類・新素材2品の取り組みは
産学連携による海洋性微細藻類『ラビリンチュラ』『ナンノクロロプシス』を開発し、昨春よりに新素材を配合したサプリメンントを自社通販で展開してます。
藻体を丸ごと粉末化したDHA高含有の『ラビリンチュラ』は、タンク培養で生産効率を高めており、原料販売も手掛けています。
『ナンノクロロプシス』は、EPAをはじめ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など60種類以上の栄養成分を含み、幅広い利用が期待されています。
微細藻類は、環境保全の観点からも注目度が高く、県内では、微細藻類のスタートアップ企業も増えています。
“沖縄発の微細藻類”を皆さんと一緒に盛り上げていきたいです。本社工場の設備投資では、モズクの生産ラインやナノ設備の増設を進めていくほか、スプレードライ装置も1機、現在の約2.5倍の処理能力のあるものへの入れ替えを予定しています。
会長を務める沖縄県健康産業協議会の活動について
2018年から運用が始まった「WELLNESS OKINAWA JAPAN(WOJ)」は…
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