㈱東洋新薬(本社:福岡市博多区、広報室:東京都渋谷区)は、神奈川歯科大学の槻木恵一教授、山本裕子准教授と共同で、大麦若葉末の唾液中のIgA分泌促進作用を確認し、11月27日に開催された「第1回日本唾液ケア研究会学術集会」で発表した。
今回の試験は、7週齢の雄性ICRマウスを、コントロール飼料または大麦若葉末配合飼料を摂取させる群、試験開始2週間前から試験終了まで抗生物質を飲水に添加した条件で、コントロール飼料または大麦若葉末配合飼料を摂取させる群の合計4群で4週間飼育した。
4週間後、マウスの唾液中のIgA分泌速度、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸濃度を測定した。
その結果、大麦若葉末の摂取により唾液中のIgA分泌速度および、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸濃度の有意な増加が確認された。一方、抗生物質を与えた条件では大麦若葉末による唾液中のIgAや盲腸内容物中の短鎖脂肪酸の有意な増加は認められなかった。
同結果を受け、大麦若葉末は腸内細菌によって資化されることで短鎖脂肪酸を産生し、その短鎖脂肪酸が唾液IgA分泌促進に関与する可能性が示された。
大麦若葉末の免疫機能としては腸管免疫に及ぼす影響が報告されているが、今回、新たに唾液中のIgA分泌促進作用を確認し、大麦若葉末が口腔免疫についても影響を及ぼすことが明らかとなった。
また、大麦若葉末による唾液中のIgAの分泌に、腸内細菌の産生する短鎖脂肪酸がカギとなっている可能性を見出し、大麦若葉末が『腸-唾液腺相関』を介して口腔免疫機能を向上させていることが示唆された。
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