プロテオグリカン、海洋性プラセンタ、核酸などサケ由来の機能性素材が東南アジアで伸長している。現地では、「サケ=高級魚」のイメージが定着。前年比2ケタ以上の成長率を示す原料も少なくない。栄養価の高さに加えて、サステナブル性にも優れていることから、健食・化粧品共に需要が拡大。四足動物からサケ由来の原料に切り替えを進める美容ブランドも増加しているようだ。一方で、地球温暖化による水質変化が影響し、近年サケの漁獲量は減少傾向にある。ウクライナ紛争や円安、資材不足も相まって、原料コストの上昇が懸念されている。
22年サケ漁獲数、7割増
サケは北太平洋、北極海の一部に生育するサケ目サケ科の魚だ。「母川回帰」という性質があり、数年かけて複数の海域を周遊した後に、自身の生まれた河川で産卵し一生を終える。白身魚に分類されるが、その身はカロテノイド系の色素が強く鮮やかなピンク、薄赤色をしている。
サケは頭から尾に至るまで、非常に栄養価が高く、「捨てる所のない魚」と呼ばれる。身には、アスタキサンチン、ビタミンD、アンセリン、皮にはⅠ型コラーゲン、鼻軟骨にはプロテオグリカン、コンドロイチン、Ⅱ型コラーゲン、白子(精巣)には核酸、プロタミン、卵巣膜にはアミノ酸、卵・脂肪にはDHA・EPA等が豊富に含まれる。
日本で流通するサケは、北海道や東北地方で人工的に放流・採卵されたサケや、アラスカやロシア、ノルウェーなどの輸入品が多くを占めている。
北海道水産林務部が発表した11月の速報値では、サケ漁獲数は約2,933万尾(前年比76%増)と大幅に伸長した。漁業関係者は、「放流当時の水質や水温が稚魚の成長に適していたと考えられる」と語る。また、東北地域を含む全国のサケ来遊数も3,132万尾(同74%増)まで伸長。
一方、ピーク時の2000年代中期に比べると間近5年間平均のサケ漁獲量は半分以下の低水準が続いている…
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